助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

病院の出産立ち会い教室に参加しました

 妊娠33週に入りました!

 体調も良く、元気に生活できていますが、目下の悩みはここにきて私の体重増加が1か月半ほど止まっていること・・・。

 妊娠6~7か月頃は恐ろしいほどのペースで体重増加してヒヤヒヤしていたのに、今はしっかり食べても、ほとんど体重が変化しません。

 今のところ、非妊時より6㎏増加。

 私は痩せ型なので、体重増加の許容範囲は+9~12㎏。

 産後の体力維持のためにも、最低でも10㎏の増加は欲しいところです。

 私の体重増加がイマイチでも胎児は週数相当の発育を遂げているので安心していますが、こんなにも自身の体重管理に悩むとは思ってもみませんでした。

 

出産立ち会い教室のプログラム

  先週末、夫と一緒に、病院開催の出産立ち会い教室に参加してきました。

 私が分娩する予定の病院では、夫立ち会いを希望する場合、夫婦揃って出産立ち会い教室に参加することが義務付けられています。

 ちょっと前まではこういうルールが適用されている病院は多かった気がしますが、いまどきは珍しいような。どうなんでしょう?

 私も夫も何が何でも立ち会い出産を希望しているわけではないものの、いざ出産の時に夫が立ち会いたくなった場合は立ち会えるようにと、教室へ参加することにしました。

 当日のプログラムは、

 ①夫による自己紹介

 ②夫立ち会い出産の注意点の説明

 ③分娩経過の説明

 ④ビデオ上映

 ⑤呼吸法と補助動作の説明と実技

 ⑥病棟見学

でした。

 時間はトータルで2時間ほど。

 約10組の参加がありました。

 

古いビデオなのに思わず感動

  私にとっては新鮮に感じる内容はありませんでしたが、夫はわりと真剣に聞いていました。でも、どちらかというと、夫も私が助産師という安心感があるのか、他のご主人に比べてメモをとったりとかはなかったような・・・(笑)。マッサージの練習は一生懸命やっていました。

 唯一、プログラムで心配だったのが、ビデオ上映。

   上映されたビデオは、私が助産師学生時代にも観たことがある、約20年以上前にアーニ出版が制作した「ドキュメント 出産」というもの。

    出産シーンのあるビデオだったので(女性の足側から撮影している)、夫にはちょっと衝撃的なのではと気を揉んでいました。

 が、後で聞くと、出産シーンに関しては「まあ、こんなものだよね」と受け止めたのと、赤ちゃんが生まれた瞬間は感動したとのこと。

 私も妊娠してからさらに涙腺ゆるゆるのため、何回か観たことのあるビデオなのに感動して危うく泣くところでした。たぶん、自分の出産の時は、感動どころか放心状態、「やっと痛みから解放されたー!」という感じで、泣くタイミングを失ってしまいそうですが。

 にしても、このビデオ、ラマーズ法全盛期のものなので、現代にそぐわないところが多々あります・・・。もっと現代に合った視覚教材ってないのかなぁ。

 

正期産までもう少し

    最後の病棟見学では、あと1か月~1か月半後にはここで出産するのかと思うと、ちょっと感慨深いものがありました。

 久々に見た、ふわふわの新生児ちゃんもかわいかったです。

 他人の子どもにはあまり興味がないと言っていた夫すら、「小さくてかわいかったー♡」と。

 少しは父親としての自覚が生まれたかな?

 今はとにかく、経膣分娩でも帝王切開でもなんでもよいので、母子ともに無事に出産できればと思っています。

購入した抱っこひも

 3月(妊娠6ヵ月頃)から少しずつ揃え始めた出産育児用品。

 GWまでにはほぼ揃え終わり、入院準備も完了しました。

 中でも、抱っこひもは色々リサーチして、購入までにも時間を要したものです。

 私は抱っこひもに関して全然知識がなく、どんなものがよいのか全くわかりませんでした。

 街中で見かけたり、友人が使っていたりした抱っこひもは圧倒的にエルゴが多く、エルゴがいいのかなぁと漠然と思っていたのですが、一方で、日本人の身体には合わないと聞いたこともありました。

 それで、一から情報収集をした結果、抱っこひも選びの上では、赤ちゃんの背中が緩やかなC字カーブになり、股関節脱臼予防のために、脚がM字開脚の状態を保てることが重要だということがわかりました。

 ガスケアプローチを推奨している産婦人科医の宋先生も、抱っこひもの選び方についてブログでお話されています。

ameblo.jp

 その視点で購入した抱っこひもは、以下の2点です。

 

1.STOKKEのマイキャリア

www.stokke.com

 こちらは、ノルウェーのメーカーのものです。

 デパートで試着してから購入しました。

 人間工学や快適性に基づいて開発されており、赤ちゃんのおしりや骨盤がしっかり支えられ、脚がM字になり、赤ちゃんの身体に負担をかけずに最適な姿勢が保てる作りでした。

 そして、赤ちゃんを高い位置で抱っこでき、抱っこする大人の背骨あたりにアルミのサポートが入っているので、大人の姿勢が反り腰にならずに良い姿勢を保てるのです。

 たまに、街中で抱っこひもの中の赤ちゃんが低い位置にぶら下がるように抱っこされているのを見て、赤ちゃんも辛そうだし、大人も肩や腰への負担が大きそうだなと思っていたのですが、マイキャリアはそれがないです。

 それに、大人の肩や腰の一部に負担がかかるのではなく、全体に赤ちゃんの体重が分散される感じ。

 初めに試着した夫はものすごく楽だと絶賛!

 私も試着したところ、赤ちゃんの重さが負担にならないし(新生児人形で試着しましたが)、長時間使っても疲れにくそうだと感じました。

 ただ、とてもがっちりした作りで、コンパクトではないので、持ち運びにはやや難点がありそうです。

 安全性の面でも問題はないと思えるのですが、その分、装着は複雑なのと、カラビナが硬いので、慣れが必要そうです。

 動く赤ちゃんを抱っこする際には時間もかかりそうですが、大人の使い勝手よりは赤ちゃんの姿勢を優先することがまず一番と思い、購入を決めました。

 ちなみに、マイキャリアのほか、通気性の良いメッシュ素材を使用したマイキャリアクールというタイプもあります。

 私はマイキャリアクールを買おうと思っていましたが、マイキャリアに比べて色の展開が少なく、色は赤がいいと主張する夫の意見をのみ、マイキャリアを購入しました。

 

2.北極しろくま堂のベビーラップ Wrap you?

 北極しろくま堂 | ベビーラップ Baby Wrap ''Wrap you?''

 

 もうひとつの抱っこひもはベビーラップです。

 ベビーラップは、一枚の長い布を大人の身体に巻き付けて、抱っこやおんぶをするというもの。

 こちらも、赤ちゃんの背中がC字カーブ、脚がM字になる姿勢を保てます。

 また、高い位置での抱っこが可能で(しかも、赤ちゃんとしっかり密着できる)、赤ちゃんの体重を大人の上半身全体に分散させるので、大人の身体への負担も少なくできます。

 難点は、巻き方をマスターするのに練習が必要なところですかね・・・。

 でも、それも、YouTubeに動画がアップされていたり、講習会があったりするので、カバーできるかなと思います。

 私が購入した「北極しろくま堂」のベビーラップには、巻き方のパンフレットが同封されていました。

 あとは、布が長いので、巻きつける時に両端が地面についてしまいます。家の中ならいいのですが、外で装着する時は気になります。

 他にも、ベビーラップは「DIDYMOS」等、色々なメーカーから出ています。

 

 

 以上、長くなりましたが、購入した抱っこひものご紹介でした。

 我が家では新生児期は主にベビーラップを使い、首すわり以降の外出時やお互いの実家への帰省時など長距離移動の際にはストッケを使おうかと夫と話しています。

 それにしても、抱っこひも選びでいちばん張り切っていたのは夫でした。

 赤ちゃんの姿勢うんぬんで悩む私に対し、夫は「お父さんがベビーラップでさっと赤ちゃんを抱っこしていたらかっこいいよねー」とか「ストッケもあんまり見かけないからかっこいいよね?」という、見かけから入るタイプ(笑)。

 たまたま、私の視点で選んだものと夫の視点で選んだものが一致して良かったと思っています。

2人目の不妊治療に関する悩み

 明日から31週に入ります。

 昨日は健診で、初めて夫も同行しました。

 初めてエコーを見たもののそれほど感動はなかったようですが、心臓がちゃんと動いていてよかった、と言っていました。

 あと、エコー中、医師と私が専門用語を使ってやりとりしていたので、何を話しているのかわかりづらかったとクレームが!

 夫が同行する機会なんてなかなかないので、もっと気遣えばよかったと反省しています。

 

 さて、まだ1人目の妊娠中なのに何を言っているんだという感じではありますが、タイトル通りの悩みがあります。

 これは最近、夫と将来的に2人目の治療はどうするかという話をしていた時に、ふと出てきた悩みでした。

 年齢や子宮内膜症のことを考えると、2人目の治療をするならば1人目出産から年数をあけずに治療を再開する方がいいねという結論に達したものの、通院の際、1人目の子どもはどうすればよいのかという話に。

 通院していた病院には凍結胚がいくつかあるため、移植からスタートできそうですが、それでも、移植前、移植日、移植後と通院回数は頻繁で、来院日を指示されればその日に行かなくてはならないのが不妊治療です。

 双方とも両親が遠方に住んでおり、ましてや今の私の働き方では保育園にも入れず(住んでいるところは保育園の激戦区です)、近くに子どもを見てくれそうな人がいない。

 かといって、不妊治療病院に子どもを連れて行くのは、他の患者さんのことを考えれば抵抗があります。

 ちなみに、通院していた病院にはキッズルームもありません。

 万が一、やむをえず連れて行ったとしても、病院まで片道1時間弱の道のりとあの長い待ち時間を小さい子どもが耐えられるわけない・・・。

 託児所の一時預かりの利用や、シッターさんの手配も考えましたが、なんとなく不安もあり・・・。

 夫と一緒に途方に暮れました。

 双方の母親に協力をお願いして、一定期間来てもらうしかないということになったのですが、事前に何回移植すれば妊娠しますということがわかればまだいいのに、その確証がないまま、妊娠するまで母親たちに協力を仰ぐのが本当に申し訳ないです。

 2人目の治療をしている方たちはどのように対処しているのでしょうか。

 次は自然妊娠できればいいのにねーと夫は言っていましたが、今までの治療の経過を考えると、タイミング良くそんなラッキーなことが起こるとは思えません。

 不妊治療は自分の心身への負担はもちろん、家族への負担も大きいことをしみじみ実感しています。

私の神アイテム

 待ちに待ったゴールデンウィーク

 10連休の方もいらっしゃるようですが(うらやましい・・・)、我が家は平日はそれぞれ仕事があり、ほぼカレンダー通りのお休みです。

 今回のゴールデンウィークは出産前の貴重な連休です。

 後半は家の中の大掃除など、出産に向けて色々と準備を整える予定です。

 

 抱き枕:ハッピーピロー4G

    今日は、今の生活に大活躍の神アイテムについて記事を書きたいと思います。

 その神アイテムは、抱き枕と骨盤支持ベルト!

 私が使っている抱き枕は、以前の職場の先輩に紹介してもらった「ハッピーピロー4G」です。

 数年前に紹介してもらった時に現物を試したところとても良く、妊娠したらこれを買おうと決めていました(妊娠していなくても使えますが)。

 中に入っているのが綿ではなくてビーズのため、形を自在に変えられ、身体にぴったりフィットするので使いやすいです。

 私は、仰向け寝がやや苦しくなってきた妊娠5ヶ月後半頃から使っていて、もうこれがないと今は眠れません。

 産後は授乳枕(クッション)としても使えます。

 よく見かけるU字型の授乳枕は、いいものに巡り合えればラッキーですが、柔らかすぎたり高さが合わなかったりして使いにくいものも結構あります。

 ハッピーピローはU字型の授乳枕に比べて多少大きさと重さはあるものの、自分と赤ちゃんが楽な授乳姿勢を取れるのがいいと思います。

 

 骨盤支持ベルト

 骨盤支持ベルトは、仕事柄、妊娠前から色々なものを見たり試したりしてきましたが、中には医学的根拠がない効能を謳っている怪しげなものや(早産が予防できる等)、着け心地がしっくりこないものもあり、どれがいいのかと悩んでいました。

 そんな中、購入を決めた抱き枕と同じサイトで骨盤支持ベルトを販売しているのを見つけました。

 調べてみると、使いやすそうだし、立った姿勢でも骨盤底筋群を保護できるようにサポートしてくれるというので、基本的に立ち仕事の私は思い切って購入。

 そして、これが私にはとてもピッタリでした。

 伸縮性がある素材なのでつけやすく、以前試した他のベルトのように硬さが気になったり身体への当たりが気になったりということもなくて。

 特に、お腹が大きくなってきた妊娠6ヶ月頃からは、ベルトを着ければ立位でいることもあまり辛く感じず、着けていない時に比べて格段に動きやすいです。

 

 

 ハッピーピローも私が購入した骨盤支持ベルトも、日本ガスケアプローチ協会がお勧めしている製品です。

 お値段はややお高めですが、私は購入して良かったです。

www.gasquet-japon.com

 骨盤支持ベルト - 日本ガスケアプローチ協会

 ピロー本体 ;ハッピーピロー4G - 日本ガスケアプローチ協会

 ガスケアプローチに関しては、数年前に少しお話を聞いたことがあるくらいなのですが、ガスケアプローチを取り入れた出産は、現代の日本で一般的な腹圧をかけて出産させる方法ではなく、姿勢と呼吸で骨盤底筋群にダメージを与えずに出産させる方法だそうです。

 ガンガンいきませてお産をすると、産後に尿漏れや子宮脱などの弊害が高頻度で起きます。

 そうではなくて、女性のもつ身体能力を最大限に生かし、ダメージを少なくするという出産へのアプローチ方法に私はかなり魅かれ、研修を受けたいと思いながらも機会を得られずにここまできてしまいました。

 産後、落ち着いたらぜひ研修に参加しようと考えています。

出産前教室に参加してきました

 先週末から妊娠後期に入りました。

 夜の眠りが浅いとかトイレが近いとか細々したトラブルはあるものの、体調は概ね良好で過ごせています。

 ただ、お腹が重くて早歩きができず、のたのたゆっくりしか歩けません。

 もともと歩くスピードが速く、気持ちは速く動けそうな気がするのですが、身体がついていかない感じです。

 

出産前教室へ

  先週の土曜日、夫と一緒に区の出産前教室に参加してきました。

 教室は全3日の日程で組まれていて、3日目は夫の育児参加促進を目的にしている内容です。

 今までは自分が教室を行う立場だったので、受講するのって新鮮だなーとワクワクしながら会場へ。

 会場の席は、住所が近い者同士で座れるようにグループ分けされていました。

 当日のプログラムは、

 ①ビデオ上映 

 ②助産師による講義:妊娠中の保健と生活、お産の準備と経過、産後の生活 

 ③実習:お父さんによる赤ちゃんの抱っことおむつ交換、妊婦体験

という流れ。

 時間はトータルで3時間ほどです。

 結構参加者が多く、年齢層はやや高めかなといった感じでした。

 

ビデオ上映

 保健師さんの挨拶の後、早速ビデオ上映開始です。

 ところが、ビデオが始まり、太鼓の音を合図にお腹の赤ちゃんに話しかけるお父さんの姿が映った途端、嫌な予感が・・・。

 そのビデオは、看護師や助産師の勉強をしていた学生時代に観たことがあり、20年以上前に制作されたNHKエデュケーショナルの「お父さんへ 赤ちゃんへからのメッセージ」でした。

 ものすごく大雑把に内容をまとめると、「お腹にいる時から赤ちゃんにお父さんが話しけると、産まれた時から赤ちゃんはお父さんの声がわかります」「赤ちゃんはお母さんに安心感を、お父さんには刺激を求めています=だからお父さんも積極的に育児関わりましょう!」みたいな感じです。

 確かに、妊娠中からお腹に向かって話しかけるのは良いことだと思うのですが、今となっては時代にそぐわない部分もあり、研究データも古いのではと腑に落ちない点も・・・。

 後日、このビデオの件を他の地域に住む助産師の友人に話したところ、なんと彼女も出産前教室で同じビデオを観たとのこと。衝撃を受けて調べてみたら、今もこのビデオは全国的に自治体の出産前教室で使われているようです・・・。驚きました!

 

助産師による講義

   ビデオ上映の後は、妊娠中から産後の生活までの講義。

 エネルギッシュな助産師さんが、ものすごいスピードで話していらっしゃいました。

 小一時間の講義にしてはてんこ盛りの内容でしたし、イメージしにくいところもあるかなと思ったのですが、夫は眠くならずに聞けて、理解できたと話していました。 

 ずっと話を聞くだけではなくて、胎児人形の重さを感じてみたり、妊娠中のエクササイズをしてみたり、分娩時の呼吸法や夫のマッサージの練習もあったので、良かったのかもしれません。

 

実習:抱っことおむつ交換、妊婦体験

  まず、保健師さんから赤ちゃんが泣きやまない時の対処法や産後うつに関する説明があり(ここで、やはり保健師さんは虐待予防の視点に立っているなと実感)、デモを見た後に抱っことおむつ交換、妊婦体験の実習へ。

 抱っことおむつ交換は、夫は当然のように私に方法を聞くし、私も「こうするのよー」なんて例を見せながら教えていると、見回りに来た保健師さんから「奥さんは、何か赤ちゃんに関わるお仕事でもされているんですか?」と聞かれ、黙っていたのに職業がバレる結果に。黙っていたのに、つい夢中になったのがいけなかったです・・・。

 妊婦体験では、約8㎏の重さのジャケットを装着し、動作のしにくさに戸惑う夫たちの姿を見て笑う妊婦さん達の構図が。

 夫も寝てみて起き上がる時の大変さを実感したようです。

 ちなみに、大体のところでは行われている沐浴実習はなく、必要物品の展示のみでした。たぶん、産後は私が沐浴をすると思うので、実習がなくてもよかったのですが、夫はちょっと残念がっていました。

 

参加してみて思ったこと

 終了後、夫は「勉強になった!」と言っていましたが、私自身はやはり、あまり新鮮味はなかったです。

 そして、いち受講者というより、助産師の視点で見てしまうことが多かったかもしれません。

 夫は満足していたので良かったのですが、内容にもう少し、産後の夫婦関係についての話があっても良かったのかなと感じました。 

 産後はそれまでの夫婦関係が大きく変化する時期。

 産後クライシスという言葉があるように、産後は夫婦の愛情が急速に冷え込む状況になりかねない時期です。

 産後クライシスの主な原因としては、夫が妻に家事・育児を丸投げすることや妻のホルモンバランスの変化などがあります。

 そういった事態を避けるには、夫が妻のホルモンバランスの変化について理解する、夫が基本的な家事・育児能力を身につけるといったことのほかに、双方が歩み寄ってコミュニケーションをとることが大切になります。

 そのため、例えば、夫向けの調理実習を含めたプログラムや、産後の妻の心理や夫婦間のコミュニケーションの重要性についての説明などが、出産前教室であればと思うのです。

 妊婦体験は確かに妊婦の大変さをわかってもらうには有意義ですが、妊娠期間は10ヶ月で終わります。沐浴実習も、役立つのはせいぜい生後1か月くらいまでです。それよりも長い育児期をどうやって夫婦間で協力して乗り越えていくか、そこに重点が置かれた出産前教室があってもよいと思います。

 また現場に復帰した時に、今回感じたことを生かしていきたいです。

災害時の女性・乳幼児に適切な配慮を

 この度の熊本・大分の地震により被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。

 一日も早い復旧と、被災された皆様に穏やかな日々が戻りますことを心よりお祈り申し上げます。

 

 最初の地震があった4月14日、たまたまつけていたNHKのニュースから緊急地震速報の音が流れ、驚いて見ていたらまさかの震度7

 その後16日にまたもや大きな地震が起こり、それが本震で14日の地震が前震とか。

 余震も大変な頻度・回数ですし、熊本・大分にお住まいの方々は身体的にも精神的にも大変お辛い状況だとお察ししております。

 大分の友人に連絡を取ったところ、彼女の自宅等は幸い被害はなかったけれど、夜は心配で眠れないし、周囲に避難生活を送る人もいるとのことでした。

 私は九州が好きで一時はよく旅行に行っていました。中でも、好きで必ず立ち寄っていた湯布院温泉も地震により甚大な被害を受けたと聞き、大変ショックを受けているところです。

 

災害時の女性・乳幼児の健康を守るために

  今回、慣れない環境で不安を抱えながら過ごされている被災者の方全員の健康を案ずると共に、女性、特に妊産褥婦さん、乳幼児がいらっしゃる方々の状況が気になります。

 避難所の様子をテレビで見ると、仕切りがないけれど、着替えや授乳はどうやってしているのか、離乳食やミルク、水は足りているのか、食糧は行き渡っているのか、普段内服している薬はあるのか、おむつやおしりふき等は足りているのか、下着や衛生用品、特に生理用品は足りているのか・・・。

 そのほか、感染症流行への懸念等、あげればキリがありません。

 また、一般的には弱者である妊産褥婦、乳幼児連れの方々は助けが必要な場合も、このように皆が被災し避難している中では、「皆大変なのだから」と我慢しすぎてしまうこともあると聞きます。

 妊婦の場合は一見健康そうに見え、通常のトリアージでは軽症にされても、産科医療上では早急に対応しなければならないこともあります。妊婦は血栓もできやすいため、避難所や車中の狭いスペースではロングフライト症候群(旧名エコノミークラス症候群)も心配です。

 

 災害時、女性には男性が気づかない困りごとが多いと思います。

 実際の避難生活では男性主体の目線になりがちで、女性が弱者になることが多いのではないでしょうか。

 月経のこともそうですし、特に妊産褥婦や子どもの衛生保持の重要性、プライバシーを守るということ等への視点が不足します。

 また、避難所のリーダーや物資担当は男性、炊き出しは女性というように、自然と性別役割を担うため、女性にとって必要な物資をもらいにくく、要望も出しにくいことも考えられます。

 そのため、日ごろから地域の防災会議には女性の参加も必要で、女性ならではの視点は欠かせないと思います。

 

 ニュースでは被災地における食糧・物資の不足が報道されています。

 私に今できることは寄付くらいで、何の力にもなれずにもどかしい気持ちでいっぱいです。

 被災された方々に必要な食糧・物資が充分に行き渡ることを祈るばかりです。

 

 

 最後に、今回の地震東北大学が公開した妊産婦を守る情報共有マニュアルのリンクを貼っておきます。

 被災地の妊産婦さん、そして現在妊娠している女性に役立ちますように。

 ①妊産婦を守る情報共有マニュアル(一般・避難所運営者向け)  

http://www.megabank.tohoku.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/ID14985_01.pdf

 ②妊産婦を守る情報共有マニュアル(保健・医療関係者向け)

http://www.megabank.tohoku.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/ID14985_0202.pdf

電車に乗った時の出来事

 妊娠中期も終わりにさしかかり、来週末からは妊娠後期に入ります。

 妊娠初期は一日が過ぎるのがとても遅く感じられたのが嘘のように、今はあっという間に毎日が過ぎていきます。

 妊婦健診は2週間毎になり、一昨日健診に行ってきました。

 相変わらずお腹の張りはありますが、頸管長は充分保たれていました。前回おこなった妊娠糖尿病の検査結果も異常はなく、胎児の発育も順調とのことで、ホッと胸を撫で下ろして帰宅しました。

 

妊婦は優先席に座りにくい

  さて今回は、愚痴っぽくなるため、記事にするかどうかものすごく迷ったことについて書きます。あくまでも私個人の体験ですが、妊婦の肩身の狭さ、居心地の悪さを実感する出来事がありまして・・・。

 所用のため、先日、夫と電車に乗った時のこと。

 休日の日中の電車は混んでいて、私たちが乗った車両の普通席は空いていませんでした。

 優先席は1つだけ席が空いており、混雑した車内で私を立たせることやお腹の張りを心配した夫に勧められ、私は優先席に座らせてもらいました。

 今は妊婦なので優先席に座る対象ではあるのですが、優先席はハードルが高くて、座ったことがありませんでした。

 というのも、優先席に座るには外見の影響を大きく受けるからです。

 高齢者は座っていても周りからは変に思われないですけど、お腹の出ていない妊婦さんが座っている場合、一見、対象外の人が座っているように見えませんか?

 なので、普段は普通席に座るようにしていましたし、お腹が大きくない時には特に体調も変わらなかったので、座れなければ立っていられました。

 でも、今回は初めて優先席に座ることになり、何となく居心地が悪くてそわそわした気分に。

 しかも、座って膝の上にバッグを載せるとお腹も隠れてしまうため、周りには「あの人健康そうなのに何で優先席に座っているんだろう」と思われるんじゃないかとドキドキしながら座っていました。

 一応マタニティマークが見えるようにしていましたが、マークを知らない方はたくさんいるでしょうし、あまり役には立たなかったかもしれません。

 そんな感じで何駅かやり過ごしていると、途中から私の隣の空いた席にサラリーマン風の男性が座り、パソコンを始めました。

 何も優先席で仕事しなくてもと思いつつ、でも、内部障害とかがあるのかもしれないな、と考え直してふと顔を上げると、斜め前に杖をついた高齢の男性が立っていることに気づきました。

 そうしたら、もう座っていられませんでした。

 私の中で、優先席対象者の中で妊婦は優先順位が最下位のように思え、すぐに席をお譲りし、気まずくてその場を離れました。

 

 その後、一部始終を見ていた夫が、優先席にはどう見ても対象外の人も座っていたのに、どうして妊婦が席を立たなきゃいけないのかと珍しく憤慨していました。そして、席を立った私のマタニティマークに気づいた人もいたけど、そっぽを向いて知らんぷりしていたとか。

 ただ、外見からはわからなくても内部障害がある人もいるだろうからと話していたのですが、夫は納得しておらず「隣に座ってパソコンしてたサラリーマン、さっき下りて行ったけど、ダッシュで階段上がって行ってたよ?」と。

 でも、私がいちばんショックだったのは、マタニティマークに気づきながら知らんぷりをされたことでした。

 

妊婦が生きづらい社会

   この一件を通して私が感じたのは、今は妊婦が生きづらい社会だということです。

 ネット上では、妊婦に対する強い言葉が聞かれることがあります。(不妊治療中も不妊様という言葉を聞きましたが、弱い立場にある人をカテゴリー化して攻撃するのって嫌ですね・・・)

 以前記事にしたことがありますが、マタニティマークをつければ幸せアピールだ気を遣えと主張していると言われ、座席の前に妊婦が立つと席を譲れと圧力をかけられているようだとか・・・。

 このように、皆が皆じゃないですが、妊婦に対して嫌悪感や攻撃的な気持ちを持つ方もいらっしゃるようですし、無関心な場合も多くあります。

 私の友人も、妊娠後期に優先席に座っていたら、高齢の女性に「若いのになんでここに座っているんだ」と叱られたと話していました。それで、妊婦であることを伝えたにもかかわらず、今度は「妊娠は病気じゃないんだから。立っていた方が安産になる!」と言われたとか。

 こういう言葉やエピソードを見たり聞いたりすれば、妊婦が必要以上に委縮してしまうのは当然ではないでしょうか。

 私は不妊治療中の方や妊婦に対して、厳しい見方をする風潮があることには疑問を感じますが、そういう見方をする人がいる以上、後ろ指を指されないようにしなければとビクビクしながら過ごさざるを得ません。

 窮屈な世の中だなぁと思います。

 じゃあ、電車に乗らずにタクシーを使えばいい、そもそも外出しなければいい、などという意見もあるかもしれませんが、妊婦にだってそれぞれ生活があります。

 妊婦だからと言って、特別優しくしてほしいとか優遇してもらって当然とは思いませんが、せめて、そこにいていいんだよと温かく見守る視線があればと思うのです。