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助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

子宮内膜症になって後悔したこと

子宮内膜症

症状のない子宮内膜症

 助産師として勤務し、女性の健康に関連した情報を得やすい環境に身を置いていたにもかかわらず、私は子宮内膜症になってしまいました。

 子宮内膜症が判明した時にはすでにⅣ期。

 医師には「生理痛辛かったでしょう」と言われましたが、私の場合、月経痛は殆どなく、鎮痛剤内服頻度も稀(年に1回くらい)でした。

 子宮内膜症といえば月経困難症のイメージが強く、それにあてはまらなかったことは私の健康への過信を強めていたような気がします。

 また、月経不順とか無排卵月経が疑われる状態ならば受診したでしょうが、月経は極めて規則的で排卵もしているようだったので、望めば妊娠できるだろうと甘く考えていました。

 子宮頸がん検診や乳がん検診はわりと気にして受けていたものの、卵巣のチェックを怠っていたことは今、とても後悔しています。

 

低用量ピルを内服しておけばよかった

 そして今、もう一つ後悔していることがあります。

 それは、低用量ピルを内服しておけばよかった、ということ。

 卵巣の定期的なチェックを怠っていた一方で、20代半ば頃の私はぼんやりと、月経を繰り返した挙句、将来の卵巣がんや子宮体がんのリスクを強めるのは嫌だなぁと思っていました。

 ある時何気なく、同じ職場の産婦人科医師に、がん予防のためにも低用量ピルを飲んだほうがいいだろうかと聞いたことがあります。

 その時返ってきたのは、わざわざそこまでしなくてもいいのでは、という返答でした。

 当時は低用量ピルが日本で解禁されて5年くらい経った頃でした。

 周囲で低用量ピルを内服していたのは子宮内膜症の友人くらいで、積極的に将来のことを考えて内服している者はおらず、私がちょっと大げさだっかもと、医師の返答を聞いて感じた記憶があります。

 そんなこともあり、低用量ピルを内服することなく過ごしてきてしまいました。

 

普及率の低い低用量ピル

 低用量ピルは、合成した女性ホルモンの働きによって妊娠に近い身体の状態を作ります。その結果、排卵は抑制され、避妊効果はほぼ100%です。

 避妊を目的とした低用量ピルの使用解禁は、日本では1998年と世界的にみてかなり遅い時期でした。

 日本で使用できるようになって15年以上経過した今現在も低用量ピルの普及率は3%程度です。

 普及していない背景には、ピルに対する偏見、副作用に対する誤解や利点が理解されていない点があげられます。また、健康な人間が内服によりホルモン状況をコントロールすることに抵抗を感じる人も、日本には多いのではないかと思います。

 薬ですから、副作用はゼロとはいえませんが、低用量ピルはかなり副作用の少ない薬です。内服開始当初は吐き気、乳房の張り、めまいなどを感じる方もいらっしゃるようですが、一時的なものですし、どうしても合わなければ医師と相談の上、他の種類に変えることもできます。

 また、低用量ピルの内服によって太ることもありません。よく耳にする、太るという副作用は、中用量ピルのものです。

 一方で、低用量ピルの副効用には、月経周期の安定、月経痛やPMSの改善、卵巣がんや子宮体がんの発生率減少、月経過多の改善、ニキビや吹き出物の減少などがあります。

 これらは女性の健康維持にとても役立つものですし、お肌の調子が整うのも女性にとっては嬉しいことです。

 この利点こそがもっと強調されるべきではないでしょうか。

 私個人としては、自身の経験もふまえ、10代の内から当たり前のこととして、妊娠希望のない女性が低用量ピルを内服できるような環境になればと考えています。(既往歴・喫煙歴等により内服できない方もいますが)

 現在は初経が低年齢化し、閉経年齢も延長化しているため、一人の女性が経験する月経回数は昔に比べて多くなっています。

 そういった中で月経が学業や仕事、プライベートに影響し、悩む女性はたくさんいます。

 さらに、第一子の出産年齢が上がり、出産回数も減少している今、私のように子宮内膜症になったり、子宮筋腫になったりしている方も多いでしょう。

 女性が主体的に自身の健康維持に取り組み、 なおかつ産みたい時に産めるライフスタイル作りができるように、低用量ピルを女性の健康に有益な手段として扱ってほしいです。

 まだまだ低用量ピルについて書きたいことはあるのですが、話がどんどん大きくなるので、今日はこれまでとします。