不妊治療のことを両親に話す
自分の両親の場合
不妊治療について、自分や夫の両親にどこまで打ち明けるか悩む方もいらっしゃると思います。
基本的に自分たちが話したくないなら話す必要はないと思いますが、様々なプレッシャーが多い場合は、かえって話すことで理解が得られる場合もあります。
しかし、不妊治療に対する理解が十分とはいえない現代社会において、女性のみに一方的に不妊の原因を負わされることも多く、打ち明けるかどうかは難しい問題だと感じています。
私の場合、自分の両親、特に母親には治療を受けていることを話してきました。
子宮内膜症の術後に実家で療養していたこともあり、打ち明けたのは自然の流れでした。
これまでの母娘の関係性から、治療について根ほり葉ほり聞かれたり、干渉されたりするのかと思いきや、母は自分から治療状況を尋ねてくることは全くありません。
私が話せば聞く、といった感じです。
また、なかなか子どもが授からずに不安だった時、心強く思ったのは、「別に子どもが絶対というわけじゃないんだから。出来なかったら出来なかったで、二人で自由に楽しく過ごせるんだから、あまり深く悩まない方がいいわよ」という言葉でした。
私が体外受精を受けようか迷っていると打ち明けた時にも、「いいんじゃない。今はそういう技術があって、それが利用できるなら、やってみてもいいじゃないの」と背中を押してくれました。
母には母なりの考えがあるのでしょうが、治療に迷い悩んでいる時に、私の心が軽くなる言葉をかけてくれることには感謝しています。
義理の両親の場合
一方で、夫の両親にはどこまで打ち明けるべきかずっと悩み続けてきました。
これまで、夫の両親に子どもはまだかと聞かれたことは一度もありません。
普段から色々な面で私にとても気を遣い、優しくしてくださるので、聞くに聞けないのではと申し訳なく思っていました。
治療期間が長くなるにつれ、夫にどこまで話そうか相談したところ、「言いたいなら言ってもいいと思うけど、別に言う必要もないと思う」とのこと。
でも、全く話をしないのも不自然な気がして、今年のお正月の帰省時、義母には通院して治療を受けていることのみ伝えました。
義母は友人の娘さん等の不妊治療体験談を聞いたことがあったようで、身体の負担を心配してくれ、「孫ができたらそれは嬉しいけど、二人が仲良く暮らしてくれることがいちばんだから、無理しないで」と言葉をかけてくれました。
これにもホッとしたのを覚えています。
ただ、現在、お正月から半年以上が経ち、間に自然妊娠・稽留流産という思わぬ出来事はありましたが義母には伝えていないため、治療状況が気になるところだと思い、体外受精について話すか夫に再度相談しました。
すると、話してもいいと思うけど無理に話さなくて良い、もし話すとしても、変に心配や誤解を与えないように、子宮内膜症のことは伏せて、二人ともはっきりした原因がないのだけどなかなか子どもができないからトライしてみる、くらいにとどめておいたらと言われました。
それで先日、夫の実家に帰省した時に、義母に現況を話し、これから体外受精をしようと思っている旨を伝えました。
体外受精に抵抗感を感じる人も多いので、少し心配していましたが、義母は「今は大体30人に1人は体外受精で生まれるっていうものね。でも、何よりもさぼんちゃんの身体は大丈夫?大変でしょう?無理しないで、力を入れすぎずにね」と。
その言葉で、ずっと抱えていたもやもやしていたものがすっきりしました。
私と実母との関係とは違い、義母はこちらの気持ちを推し量るあまり(嫁姑の関係なので)、聞きたいことも聞けない状況で辛かったのではと思います。
それでも、じっと待ち、私たちの選択を尊重し、思いやりのある言葉をかけてくれる優しさに本当に感謝しているところです。
私自身、もしかしたら仕事上の経験による影響が大きすぎて、過度に不妊への偏見を恐れていた部分があったかもしれないと思います。自分が傷つきたくないと思うあまり、過剰に自分をガードしていた部分もありました。
私の場合は、今回思い切って状況を打ち明けたことにより、変に後ろめたい気持ちもなく、前向きに体外受精に臨めそうです。
ちなみに、自然妊娠と流産のことは、夫の両親を悲しませ心配させるだけかと思い、現時点では伝えていません。
もし伝えるとしたら、次の妊娠がわかり、落ち着いた頃にと思っています。