助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

採卵日①

採卵日前夜~当日朝まで

 私が通院している病院では、採卵の際に全身麻酔(静脈麻酔)をかけることになっていました。

 無麻酔は絶対に嫌だったのですが、全身麻酔時の嘔吐や誤嚥予防のため、前日21時以降は絶食という、食いしん坊の私にはかなり辛い前処置がありました(ちなみに、飲水は当日の7時までOKでした)。

 普段、夕食後には何も食べないのに、その日に限っては21時までお菓子をつまみ続け、夫にはほとほと呆れられました。

 そして、翌朝は早くから出かけなければならないので、さっさと寝ることにしました。

 しかし、なかなか寝付けません。

 それでもなんとか眠りについたのですが、夜中2時くらいに左下腹部の鈍痛で目が覚めました。

 その時ふとよぎったのが、「これはもしかすると排卵痛??」という不安。

 ここまで来たのに排卵なんかしちゃったら大変!と焦り、気になってまた眠れなくなりました。

 それから少しして、うとうとしたものの、左下腹部の鈍痛は続いています。

 とうとう4時半頃からは目がはっきりと覚め、ふと、前日までかなりの腹部膨満感があったのに、それが軽減していることに気づきました。

「これもう排卵してるんじゃ・・・」と、疑惑はどんどん高まる一方です。

 そして測った基礎体温はしっかり高温期!!

 起きた夫に半泣きで、「もう排卵しているかもしれない・・・」と伝えましたが、「えー?大丈夫、大丈夫。あんなに薬で抑えてたんだからさー。とにかく心配しすぎ」と一蹴されました。

 採卵前のエコーで、「あー、残念ながら排卵してますね」と言われるシナリオを想定しながら、病院へ行きました。

 

病院到着後~採卵待ちの間

  病院到着後は、受付を済ませた後、血圧測定と問診がありました。

 ところが、緊張のためか下の血圧が結構高い・・・。

 問診後に再検することになり、測ろうとしたらエコーに呼ばれました。

 どうせもう排卵しているんだろうからと諦め半分でいましたが、エコーの結果、全くもって排卵していませんでした。

 ホッとしつつ、血圧の再検に臨みましたが、下の血圧は全然変わっていませんでした。

 「緊張しているからでしょうね」と看護師さんも特に気にしていないようで、採精を終えた夫と共に待機室へ案内されました。

 待機室は個室でした。

 術衣に着替え(下着は全部とります)、トイレを済ませ、点滴開始です。

 同じ日の採卵は私を含めて2人で、まずは他の人が先に採卵でした。

 夫はこの日どうしても抜けられない仕事があり、10時半には病院を出なければならなかったのですが、まだこの時点で9時くらい。

 きっと夫が病院を出るまでには採卵を終わって戻ってこられるね、と話していたところ、看護師さんが移動式の点滴棒を持って入って来て、「もう少しで前の方が終わります。最後にトイレへどうぞ」と。

 早いなぁと思いながらトイレを済ませ、ドキドキしながら呼ばれるのを待っていましたが・・・。

 全然呼ばれない!!

 30分経ち、40分経っても呼ばれない。

 テレビを観ても全然内容が入ってこないし、緊張はMAXだし、前夜からの下腹部痛は続いているし、この間に排卵しちゃうんじゃないかと心配になるし・・・。

 あれこれと気を揉んでいるうちに、またトイレに行きたくなりました。

 しかし、固定式の点滴棒に繋がれているため、一人ではトイレに行けず、夫に看護師さんを呼んでもらい、トイレへ。

 その時の看護師さんの説明では、どうやら担当医の外来診察が押している模様でした。

 そのうち緊張の糸も切れ、時計も10時を過ぎ、夫に「もう会社行っていいよ。大丈夫だから」と話した矢先に、採卵室へ呼ばれました。