助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

葉酸サプリの摂取について思うこと

まだまだ不安な健診

 一昨日は健診でした。

 健診は一般不妊治療を受けていた総合病院で受けており、年末の健診以来3週間ぶりです。

 本当はこの時期は4週間に1回の健診頻度ですが、どうしても仕事の都合がつかず繰り上げてもらいました。

 また、この3週間は、「本当に(胎児は)生きているのかしら・・・」と漠然とした不安を抱えたまま過ごしていました。

 健診の結果、私の心配をよそに胎児は元気で週数相当の発育でしたが、まだまだ流産のトラウマから逃れられていません。

 胎動を感じるようになれば少しは違うでしょうが、何の症状もない今、健診だけが頼りです。

 

葉酸サプリの摂取は妊娠前から

  昨年末、高度不妊治療を受けていた病院への通院が終了した際、母子手帳を貰ってきました。

 そこでふと気になったのが、葉酸摂取のことでした。

 葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、納豆、いちご、アボカドなどに含まれる、ビタミンB群の一種です。

 そして、葉酸は赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害の発生リスクを減らす役割を果たします。予防に必要な葉酸の量は1日400μg(0.4㎎)ですが、葉酸は熱に弱く水に溶けだしやすいため、食品のみでの摂取は難しい栄養素です。

 そのため、厚労省は、食品からの葉酸摂取に加えて、栄養補助食品から1日400μg(0.4㎎)の葉酸摂取を推奨しており、少なくとも妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間の摂取が必要と述べています¹⁾。

 私が違和感を感じたのは、妊娠前から意識することが必要な葉酸摂取のことが母子手帳に記載され、なおかつ、母子手帳と共に貰った様々なチラシの中に葉酸サプリのチラシがあったことでした。

 母子手帳を貰うのは、大体妊娠8週~12週くらいです。

 そこで気づいて葉酸を摂取し始めても、神経管閉鎖障害の発生リスクを減らすには遅くないですか?

 私個人の実感としては、以前よりも妊娠前からの葉酸摂取の必要性に関しては知られるようになり、妊活中の友人等はサプリを摂取していると言いますが、それでも中には妊娠するまで葉酸の必要性について知らない方もいます。冷え対策とかルイボスティーを飲むなど、妊娠しやすいと言われることは取り組みやすくても(科学的根拠は不明ですが)、自身や赤ちゃんの疾病予防に向けた行動には目が行きづらいのかもしれません。

 また、皆が皆計画的に妊娠するわけではありません。

 なので、妊娠前から女性が自分のこととして考え、行動に移せるような情報提供はどのようにしたらよいのか、難しさも感じています。

 私は職業柄、知識があったので、妊娠を考え始めてからすぐに葉酸サプリの摂取を始めました。結局、そこから妊娠までには約2年かかり、治療の途中で心が折れそうになった時には「妊娠しないかもしれないのに、飲んでいて意味があるのだろうか」とむなしくなったこともあります。

 そんな経験もふまえ、もっと手軽に、自然に葉酸が摂取できる方法はないかと考えてしまいます。

 

 

 

 最後にちょっと話がそれますが、母子手帳と一緒にもらったチラシの多さには愕然としました。水の宅配、洋服のネット通販、食品や日用雑貨の宅配サービス、子ども用品、サプリメントのチラシの数々・・・。母子手帳を交付するのは自治体なのに、当たり前のようにこんなに民間の企業を参入させていいのでしょうか。

 もっと、為になる情報提供をする方向へエネルギーを使っていただきたいです。

 

 

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引用文献

1)厚生労働省.神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について.

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf