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助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

抗体検査と予防接種

2回目のインフルエンザワクチン接種

 今シーズンはインフルエンザの流行開始が平年よりも遅れ、今月15日に厚労省から「インフルエンザの全国的な流行入り」が発表されました。

 確かに、勤務先の患者さんの状況を見ても、昨年11、12月はインフルエンザの患者さんがあまりおらず、最近になって増えてきた印象があります。

 この間見ていたニュースでは、今シーズンのピークは3~4月にずれ込む可能性があるとか。

 万全の対策はとっているつもりですが、まだまだインフルエンザ流行の季節が続きそうなので、念のため、昨日、2回目のインフルエンザワクチン予防接種を受けました。

 インフルエンザの予防接種は、接種から抗体が作られるまでには2週間ほどかかり、効果の持続は5か月ほどです。

 1回目は11月上旬に接種したので、4月上旬までは効果があるはずですが、勤務先で感染者と関わる機会も多く、念には念を入れて2回目を受けました。

 

妊娠前に抗体検査と予防接種を

 また、今の時期、おたふく風邪りんご病も流行していると聞きます。

 これらの感染症の流行は、妊娠を考えている方や妊婦さんにとってはヒヤヒヤしますが、できれば妊娠を考えた時に各感染症(風疹、麻疹、水痘、おたふく風邪りんご病トキソプラズマ、サイトメガロ等)の抗体検査を受け、抗体がないものに関しては妊娠前に予防接種を受けておくことが望ましいと思います。

 りんご病トキソプラズマ、サイトメガロにはワクチンはありませんが、抗体があることがわかっていれば安心ですし、抗体がない場合は人ごみを避けたり、マスクをしたり、手洗い・うがいをしたりと、感染予防ができます。

 妊娠してから、気を付ける必要がある感染症について知ったり、抗体の有無を知ったりするよりも、妊娠前から感染症についての知識を持ち、自分と赤ちゃんのために予防行動を取れるといいなと思います。

 しかし、現実ではなかなか難しいのか、いわゆる妊娠しやすいといわれる身体づくり(真偽は定かではない)に向けては行動できても、予防行動に関しては関心が低いと感じることもあります。

 以前、妊活を始めるという知人に、まずは何から始めたらよいかと聞かれたので、感染症の抗体検査と婦人科検診、葉酸サプリの摂取を勧めたのですが、かえってきた言葉が「でも、感染症の抗体検査って高いんでしょ?」でした。ついでに、夫に風疹・麻疹ワクチンも受けてもらったらと勧めたところ、「打たなくてもかからないかもしれないのに、お金かけるのもったいないなー。それなら、検査のお金や予防接種代をヨガのレッスン代にまわしたい」。

 知人には、妊娠してから病気や感染症の罹患がわかって慌てても遅い場合があるし、自分と赤ちゃんの身を守るために必要なことだからと力説し、知人は後日婦人科検診と抗体検査を受け、夫にもワクチンを打ってもらったようです。

 

次世代の子どもを守るために

 日本では予防接種の取り組みが不充分で、自身を感染症から守ることはもちろん、他者に感染させないという概念が少ない気がします。

 私は、小学生の頃風疹に罹患したのですが、中学生の時に集団接種の機会があり、親に「妊娠してから風疹にかかったら大変だから」と念のための接種を勧められて接種した記憶があります。

 しかし、集団接種の対象は女子だけで、男子は接種していませんでした。

 その結果起きたのが、2年半前の風疹大流行です。

 あの時の患者の中心は20~40代の男性で(女性は20代が多かった模様)、ちょうど、風疹の予防接種が行われなかったり、接種率が下がった世代です。

 また、年代を見れば、妻やパートナーが妊娠を考えていたり、妊娠中であった可能性も高いです。

 妊婦が罹患すれば、胎児が難聴、先天性心疾患、白内障等になる可能性が高いにもかかわらず、過去の日本がなぜこんなに大切な予防接種を定期接種にしなかったのか、大いに疑問を感じます。

 そのため、あの大流行が起きてから、各自治体において風疹抗体価検査やワクチンの助成を行っており、対象は妊娠を考えている女性または妊婦、その夫(もしくはパートナー)だったりしますが、この対象も自治体によって異なります。

 でも、このような対策では防ぎきれないと思うのです。

 接種が行われていない世代、接種率が下がった世代の男女に関しては、国が責任を持ってワクチン接種を行うことが必要ではないでしょうか。

 病院はもちろん、学校、職場での集団接種を義務付ければよいのではと思います。

 

 次世代の子どもを守り、社会での感染症の流行を防ぐためにも、予防接種で防げる病気はしっかり防ぐという行動が、日本でも一般的になることを願ってやみません。

 そのためには、まず、自分と他者の身を守るという、一人ひとりの感染症予防に対する意識が大切だと考えています。