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助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

働く女性の4人に1人が流産経験?

 おかげさまでインフルエンザからはすっかり回復し、普段通りの生活を送れています。

 先日は、インフルエンザ罹患のために1週間延期になった健診にも出かけることができました。

 胎児の発育は順調で、私の妊娠経過も問題なしでした。

 妊娠20週を目前にした今、気になるのは子宮頸管無力症の有無だったのですが、頸管長は充分保たれており、少しホッとしました。

 

調査結果に疑問

 さて、昨日、気になるニュースを見かけました。

 それは、こちらです↓

headlines.yahoo.co.jp

 

 この記事の「働く女性の4人に1人が流産経験あり」という結論ですが、この調査方法の詳細(対象、調査内容、データ収集方法、分析方法など)がわからず、この結論を鵜呑みにすることはできないなぁと思ってしまいました。

 もともと、流産率は約15%で、年齢が上がれば流産率は高くなりますし、体外受精などの高度生殖医療による妊娠も流産率を高めます。

 また、初期流産の殆どの原因は胎児側の染色体異常であり、就労の有無は影響しないといわれています。

 一方で、妊娠12週以降の流産には母体側の因子、つまり生活環境とか職場環境などが影響していることが多いといわれています。

 つまり、この調査が年齢や治療歴、流産時期などの背景も含めて分析され、結果が導かれているのならともかく、そうでないのなら調査として信頼するのは難しいかなと思います。

 私がこの記事を読んで危惧したのは、働いて流産した女性が「あの時休んでいればよかった」「働くんじゃなかった」というふうに、自分の就労に後悔の念を抱いたり、働く妊婦が必要以上に流産を恐れたりすることでした。

 私自身、流産した時には、いくら流産率や原因について理解していても、「立ちっぱなしの仕事をしていたからじゃないか」と自分の仕事内容と流産を結び付けて、自分を責めていました。

 でも、それは、ただでさえ流産のダメージが大きいのに、自分をもっと追い詰めることになります。

 流産は働かなかったら防げる事態なのかというと、また別問題だと思うのです。

 

働く女性のための出産・育児に関する制度の周知を

  ただ、働く女性のための出産・育児に関する制度については、調査によると知らない人も多いことがわかりました。

 これは周知が必要な事態だと思います。

 妊婦は、時間外、休日労働、深夜業の免除を請求できますし、立ち仕事や重いものを扱う仕事等が辛い時には他の軽い業務への転換を請求できます。

 また、妊婦健診で医師等から、通勤緩和、休憩時間の延長、つわりやむくみなどの症状に対応した勤務時間の短縮や作業の制限、休業などの指導を受けた場合には、会社に申し出て必要な措置を講じてもらうことができます。申し出があった場合、会社は指導内容に応じた適切な措置を講じなければなりません。

 この場合、「母性健康管理指導事項連絡カード」というものを医師等に記入してもらい、会社に伝えることもできます。

www.bosei-navi.go.jp

 

 妊娠・出産は個人差が大きいものです。 

 たとえば、つわり症状がひどい人と全くない人がいるように、同じ妊婦でもその人が抱える症状にはかなり差があります。

 私もこれまでの職場で、上司が妊娠した同僚に「私もつわりひどかったけど、吐きながらでも働いていたわよ」と言ったり、つわりでぐったりしている同僚が「他の妊娠しているスタッフも頑張って働いているから、こんなので休めない」と言ったりしているのを目にしてきました。

 しかし、自分の経験はあくまでn=1なので人に押し付けてはいけないと思いますし、他の人が大丈夫だから自分も大丈夫という考えにもあまり賛成できません。

 マタハラ問題が叫ばれている今、仕事を持つ女性が妊娠しても安心して働ける環境づくりへの努力が、労働者全員に求められていると感じています。