災害時の女性・乳幼児に適切な配慮を
この度の熊本・大分の地震により被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧と、被災された皆様に穏やかな日々が戻りますことを心よりお祈り申し上げます。
最初の地震があった4月14日、たまたまつけていたNHKのニュースから緊急地震速報の音が流れ、驚いて見ていたらまさかの震度7。
その後16日にまたもや大きな地震が起こり、それが本震で14日の地震が前震とか。
余震も大変な頻度・回数ですし、熊本・大分にお住まいの方々は身体的にも精神的にも大変お辛い状況だとお察ししております。
大分の友人に連絡を取ったところ、彼女の自宅等は幸い被害はなかったけれど、夜は心配で眠れないし、周囲に避難生活を送る人もいるとのことでした。
私は九州が好きで一時はよく旅行に行っていました。中でも、好きで必ず立ち寄っていた湯布院温泉も地震により甚大な被害を受けたと聞き、大変ショックを受けているところです。
災害時の女性・乳幼児の健康を守るために
今回、慣れない環境で不安を抱えながら過ごされている被災者の方全員の健康を案ずると共に、女性、特に妊産褥婦さん、乳幼児がいらっしゃる方々の状況が気になります。
避難所の様子をテレビで見ると、仕切りがないけれど、着替えや授乳はどうやってしているのか、離乳食やミルク、水は足りているのか、食糧は行き渡っているのか、普段内服している薬はあるのか、おむつやおしりふき等は足りているのか、下着や衛生用品、特に生理用品は足りているのか・・・。
そのほか、感染症流行への懸念等、あげればキリがありません。
また、一般的には弱者である妊産褥婦、乳幼児連れの方々は助けが必要な場合も、このように皆が被災し避難している中では、「皆大変なのだから」と我慢しすぎてしまうこともあると聞きます。
妊婦の場合は一見健康そうに見え、通常のトリアージでは軽症にされても、産科医療上では早急に対応しなければならないこともあります。妊婦は血栓もできやすいため、避難所や車中の狭いスペースではロングフライト症候群(旧名エコノミークラス症候群)も心配です。
災害時、女性には男性が気づかない困りごとが多いと思います。
実際の避難生活では男性主体の目線になりがちで、女性が弱者になることが多いのではないでしょうか。
月経のこともそうですし、特に妊産褥婦や子どもの衛生保持の重要性、プライバシーを守るということ等への視点が不足します。
また、避難所のリーダーや物資担当は男性、炊き出しは女性というように、自然と性別役割を担うため、女性にとって必要な物資をもらいにくく、要望も出しにくいことも考えられます。
そのため、日ごろから地域の防災会議には女性の参加も必要で、女性ならではの視点は欠かせないと思います。
ニュースでは被災地における食糧・物資の不足が報道されています。
私に今できることは寄付くらいで、何の力にもなれずにもどかしい気持ちでいっぱいです。
被災された方々に必要な食糧・物資が充分に行き渡ることを祈るばかりです。
最後に、今回の地震で東北大学が公開した妊産婦を守る情報共有マニュアルのリンクを貼っておきます。
被災地の妊産婦さん、そして現在妊娠している女性に役立ちますように。
http://www.megabank.tohoku.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/ID14985_01.pdf
②妊産婦を守る情報共有マニュアル(保健・医療関係者向け)
http://www.megabank.tohoku.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/ID14985_0202.pdf