助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

産後のメンタルと睡眠不足

 出産からすでに5ヶ月近く経っていますが、今日は出産後辛かったお話を。

 私が産後いちばん辛かったのは、睡眠不足でした。

 思うように眠れないのは知っていて、覚悟はしていたものの、それは「何の修行だろうか・・・」と思うほどでした。

 

退院日の夜

 新生児は、昼夜の区別がついていません。

 助産師の仕事をしていた頃よく遭遇したのは、夜中に活発になってお母さんを睡眠不足にしていた赤ちゃんたち。

 娘も同様で、入院中は私の夕食時間くらいから活発になっていました。

 ただ、私はかなりひどい貧血でまずは体力回復が先ということで、夜中は授乳以外の時間は娘を預かってもらっていました。だから、細切れでもまだ少しは睡眠がとれていたように思います。

 さすがに退院後は眠れないだろうなと思いつつ退院。

 その予感はまさに的中しました。

 退院した日の夜、授乳もして「さあ、寝ましょう」と私も一緒に寝ることにしたのですが、一向に寝ない娘。やっと眠りについて私もうとうとしかけた頃、娘はぐずぐずし始めました。リビングで授乳して寝かしつけようとしても、泣いて寝ない娘。寝室では夫が寝ているし、リビングの横の部屋では手伝い&顔を見に来た両親が寝ているし、皆を起こしたくなくて仕方なく空いている部屋で真っ暗な中、娘を抱きながら揺れ続けました。で、寝たので寝室に戻り、ベッドに置くとまた娘はぐずぐず・・・。抱き上げると泣き止みましたが、これじゃ眠れない、どうしようと朦朧とした頭で考えていたのは覚えています。私は娘を抱いたまま夫の足元に転がって寝ていたようで(気絶していたようなものです笑)、気づいてびっくりした夫の「あれ?大丈夫?」という声で我に返りました。そうこうしているうちに、また泣き出す娘・・・。これが朝までエンドレスで続きました。

 

睡眠不足で心がボロボロに

 それでも、まだ最初の内はこれでも何とか頑張れましたが、次第に夜になるのが憂鬱になってきました。

 日中沐浴していたのを夜寝る前にして授乳後寝かせる、とか色々と対策をとってみたものの、やはり寝る頃になると目をしっかり開けてぎらぎらさせている娘。やっと寝かせても、夜中に授乳で起きると、また寝ない・・・。

 夜中の2時とか3時に、いつ寝るかわからない娘を抱いたまま、一人ぼっちでずっと寝付くまで抱っこで揺れ続けているのは、すごく心細かったです。

 これがいつまで続くんだろう、寝たい時に寝れなくて、やっと眠れたと思っても眠さのピークで起こされて辛い・・・、そんな気持ちしかありませんでした。

 そうやって睡眠不足が続くと、ろくなことを考えません。

 育てていけるだろうかと不安で涙がポロポロこぼれたこともありました。

 夫もそんな私の姿に気づき、気遣ってくれましたが、日中の仕事に影響を与えるわけにはいかないと、私は「大丈夫」と言うしかできませんでした。また、見かねた実母が夜中に起きてきて、寝ない娘を一時的に預かると申し出てくれたのに、「母親なんだし、甘えちゃいけない」と変な責任感で申し出を突っぱねていました。

 今考えれば周りに素直に甘えてやり過ごせばよかったと思いますが、その時は正常な判断ができないほど、睡眠不足で追い詰められていました。

 産後うつの一歩手前だったかもしれません。

 本当に、睡眠不足は人をダメにすると思い知った産後でした。

 これから出産を迎える方々には、眠くなくても日中赤ちゃんが寝ていたら一緒に寝る、周りにどんどん甘えることを心からお勧めします!