「性別は?」にうんざり
東京では桜の開花宣言がなされ、気温も大分暖かく、春らしくなってきました。
桜で思い出すのは、1年前のまさかの自然妊娠が発覚した時のこと。
胎嚢確認ができた日は、満開になった桜を見ながら、「来年は3人でお花見ができるといいなぁ」とウキウキ。
そこからまもなくして稽留流産の診断が下され、どん底まで落ちた日々。
春が来るのはうれしいのに、流産のことは今も変わらずつらくて悲しい思い出で、複雑な気持ちです。
この気持ちはたぶん、一生抱えていくのだろうなと思います。
性別に関する質問
今日は、最近モヤモヤしていることについて書こうと思います。
それは、胎児の性別について聞かれること。
23週の今現在、胎児の性別はまだわかりません。
私は産むまでの楽しみにしてもいいかなーと思っていたのですが、夫をはじめとする家族の希望は事前に知りたいということなので、一応、これまで2回の健診で、ついでに見てもらっています。
最初は14週の時で、この時は「男の子・・・?いや、でもまだわかんないなぁ」という感じ。次の19週の健診では、逆子の上、胎盤に隠れてしまっていて判明せず。
そんなわけで、性別を聞かれても「まだわかんないんですよー」としか答えられないのですが、4週間に1回の健診間隔なのに(次から2週間に1回の予定です)、職場等で殆ど毎日顔を合わせる度に性別を聞かれるのは、申し訳ないけれどなかなかうっとうしいものがあります・・・。
私も自分が妊娠する前は、妊娠を報告してくれた友人や知人に「おめでとう!もう(性別は)どっちかわかったのー?」なんて気軽に聞いていました。
なので、性別を問う質問は挨拶代わりみたいなもので、聞く方には深い意味はないのだろうということは理解できますし、悪意があるわけではないからスルーしようと思っています。
ただ、「最初はやっぱり女の子がいいよね!」「女の子はいいわよー。大きくなったら話し相手になってくれたり一緒に買い物にも行けるけど、男の子はそうはいかないもんね」等と、性別質問の後にその人の価値観を押し付けてくる方が多いのには辟易しています。
もしも、お腹の子が男児で、この「女児がいい説」が聞こえていたらと思うと、せっかく来てくれたお腹の子に本当に申し訳ない気持ちになるのです。
漠然とした個人的な希望は女児でしたが、それは私が女系家族で育ったため何となく男児を産むイメージがつかなかったのが大きいです。
でも今は、授かっただけで本当にありがたいですし、こだわりはなく、どちらの性別でも元気に生まれてきてね、ということしかありません。
エコー検査の本来の目的
こんなにも性別を問われる機会が多いと、妊婦健診といえば、エコー検査で胎児のかわいい顔や性別がわかるというイメージが一般的に強いのだろうなと思わざるをえません。
特に今は、胎児の顔やしぐさがより鮮明に立体的にわかる4Dエコーもあり、エコーが妊婦へのサービスと受け取られかねない部分もあります。
しかし、エコー検査は出生前診断の一種です。
胎児の発育状態、身体の構造、羊水や臍の緒、胎盤に異常はないか等をチェックするものです。
胎児やその付属物の異常を告げられるかもしれないと思うと、私はいつもエコーの度にドキドキし、結果、何も異常がなく順調に発育しているとわかるとホッとします。
つまり、エコー検査で胎児の顔とか性別を知ることは二の次、三の次なのです。
こう思うのは、私に助産師としての勤務経験があるからで、色んな異常を見てきたからだと思います。
だから、性別を聞かれても性別に関してあれこれ価値観を押し付けられても、もっと寛容に受け止めなければと思う一方で、どうしてもエコー検査が軽視されているような気がして、そして、性別に対する価値観にどうしても納得できない部分もあって、モヤモヤするのでしょう。
性別を聞かれてあれこれ言われるのにうんざりするのは、私の心が狭いからなのかと思いきや、第二子を妊娠中の友人に先日話した時、彼女も同じことを思っていると話していて、大いに盛り上がりました。
あまり今まで聞かなかったけれど、同じようにモヤモヤしている人は意外と多いのでしょうか。
お腹の子に、男の子でも女の子でもどちらでもいいからねーと話しかける毎日です。