助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

睡眠パターンの変化

 産休に入って10日あまりが過ぎました。

 正期産に入る37週まではあと10日。

 出産予定日まではちょうど30日。

 少しずつ出産の日が近づいてきています。

 産休に入る前までは、1日中家にいるなんて無理だと思っていたのですが、梅雨に入ったので雨の日は出かけるのが億劫になり、お天気がいいと今がチャンスとばかりに洗濯や掃除に励むので、今のところ暇を持て余さずに過ごせています。

 自由に時間が使えるのは今だけだし、大変であろう産後のことを考えると、家事に力が入ります。そろそろ、常備菜を作って冷凍などもしておかなければ。

 

 妊娠後期に入ってから、夜間まとめて眠ることができなくなってきました。

 たっぷり眠るのが大好きな私は、平日は大体22時半頃に就寝、起床は6時頃です。

 妊娠後期までは夜間に目が覚めても1回くらいだったのに、今は就寝後、0~3時くらいまで大体1~1時間半置きに目覚め、その後は3時間くらいまとめて眠れる時とそうでない時があります。

 大体目が覚める時は、尿意がある時、胎動が激しい時、寝ている体勢が辛くなってきた時です。

 寝る前の水分は控えていますが、増大した子宮や胎児の影響で膀胱が圧迫されているためトイレがものすごく近いです。

 で、トイレに起きて、さあ眠ろうと横になった時に、元気にドンドコ動き出すお腹の子ども・・・。

 横向きで眠ることが多いので、下になった方をガンガン蹴られると、「この体勢が嫌なのかしら」とまた向きを変える羽目に。寝付くのにも時間がかかります。

 

 また、休日は寝だめするのが習慣で、いくらでも眠れたのに、今はすっきり目が覚めて(というか、眠っていられなくなって)6時か7時には起きます。

 ただその分、平日も休日も日中に強烈な眠気に襲われることが多くなり、家事がひと段落した午前中に30分くらい寝ることも。

 最初はこの変化に戸惑いましたが、どうせ産後は夜間まとめて眠ることは不可能だし、日中疲れたら赤ちゃんが寝たタイミングで自分も寝ればいいやと思い、その予行練習と思って現状を受け入れています。

 こればかりは悩んでも仕方ないですし、自分が慣れるしかありませんもんね。

 出産に向けて体調を崩さないように気をつけながら、残り少ない妊婦生活を毎日楽しんで過ごそうと思います。

産休に入りました

 先週末、34週0日で仕事を終了し、産休に入りました。

 なんとか産休まで働き続けられたのは本当に奇跡でした。

 妊娠がわかってから、仕事のことでまず不安に感じたのは、「最後まで(産休まで)無事に働けるかしら」ということ。

 立ち仕事なので、切迫流早産を起こし仕事は途中で休まざるを得ないのではと心配していました。

 特にお腹の張りが辛かった妊娠中期は、ヒヤヒヤしながら仕事をする毎日。

 あまりにもお腹が張った時には少しだけ座らせてもらったりしましたが、患者さんが多くて忙しい時などは自分の体調に合わせて休憩をとることが難しかったです。

 

 今回、自分がいざ妊婦になってわかったことは、妊娠しながら働くのは考えていたよりもハードルが高いということ。

 私が今まで働いてきた環境は女性が多く、同僚に妊婦がいるのは普通だったので、妊娠していない人と比べて身体のしんどさはあっても、元気であれば働けるものだと思っていました。

 もちろん、妊娠している同僚に対しては、患者さんの移動や重たいものを持つ業務などから外れ、座ってできる業務などを多くするように配慮していましたが、妊婦が働くことの大変さを本当の意味で理解できていませんでした。

 というのも、妊婦はありえないくらい突然体調を崩すものですし、それが自分でも予測がつかないことが多く、体調管理を心掛けていてもコントロールが効かないものなのです。

 仕事上の責任を全うしたいけれど、それだけのパフォーマンスが今は難しいです、ということが体調のせいで度々起こります。

 また、看護職だと、ケアする立場の自分がまず元気でなくてはいけないというプレッシャーもあります。

 働く妊婦は身体のしんどさに加えて、ピーンと張りつめた変な緊張感を持ち続けて仕事をする状況にあるんだ・・・としみじみ実感しました。

 

 ただ、自分の身は自分で守るしかないし、赤ちゃんも自分が守るしかありません。

 仕事をしていると、どうしても周囲に迷惑をかけないようにと考え、限界を超えそうになっていても自分の辛さを訴えることをためらいがちですが、赤ちゃんと自分に何かあってからでは遅すぎます。

 せっかく授かった命なので、とにかく赤ちゃんと自分のことをまず優先に考えた方がよいと思います。

 何かあって後から後悔するよりも、辛い時には辛いと訴えて休み、また頑張れる時に頑張ればよいと思うのですが、妊婦をとりまく職場環境はなかなか厳しいのが現状ですかね・・・。

病院の出産立ち会い教室に参加しました

 妊娠33週に入りました!

 体調も良く、元気に生活できていますが、目下の悩みはここにきて私の体重増加が1か月半ほど止まっていること・・・。

 妊娠6~7か月頃は恐ろしいほどのペースで体重増加してヒヤヒヤしていたのに、今はしっかり食べても、ほとんど体重が変化しません。

 今のところ、非妊時より6㎏増加。

 私は痩せ型なので、体重増加の許容範囲は+9~12㎏。

 産後の体力維持のためにも、最低でも10㎏の増加は欲しいところです。

 私の体重増加がイマイチでも胎児は週数相当の発育を遂げているので安心していますが、こんなにも自身の体重管理に悩むとは思ってもみませんでした。

 

出産立ち会い教室のプログラム

  先週末、夫と一緒に、病院開催の出産立ち会い教室に参加してきました。

 私が分娩する予定の病院では、夫立ち会いを希望する場合、夫婦揃って出産立ち会い教室に参加することが義務付けられています。

 ちょっと前まではこういうルールが適用されている病院は多かった気がしますが、いまどきは珍しいような。どうなんでしょう?

 私も夫も何が何でも立ち会い出産を希望しているわけではないものの、いざ出産の時に夫が立ち会いたくなった場合は立ち会えるようにと、教室へ参加することにしました。

 当日のプログラムは、

 ①夫による自己紹介

 ②夫立ち会い出産の注意点の説明

 ③分娩経過の説明

 ④ビデオ上映

 ⑤呼吸法と補助動作の説明と実技

 ⑥病棟見学

でした。

 時間はトータルで2時間ほど。

 約10組の参加がありました。

 

古いビデオなのに思わず感動

  私にとっては新鮮に感じる内容はありませんでしたが、夫はわりと真剣に聞いていました。でも、どちらかというと、夫も私が助産師という安心感があるのか、他のご主人に比べてメモをとったりとかはなかったような・・・(笑)。マッサージの練習は一生懸命やっていました。

 唯一、プログラムで心配だったのが、ビデオ上映。

   上映されたビデオは、私が助産師学生時代にも観たことがある、約20年以上前にアーニ出版が制作した「ドキュメント 出産」というもの。

    出産シーンのあるビデオだったので(女性の足側から撮影している)、夫にはちょっと衝撃的なのではと気を揉んでいました。

 が、後で聞くと、出産シーンに関しては「まあ、こんなものだよね」と受け止めたのと、赤ちゃんが生まれた瞬間は感動したとのこと。

 私も妊娠してからさらに涙腺ゆるゆるのため、何回か観たことのあるビデオなのに感動して危うく泣くところでした。たぶん、自分の出産の時は、感動どころか放心状態、「やっと痛みから解放されたー!」という感じで、泣くタイミングを失ってしまいそうですが。

 にしても、このビデオ、ラマーズ法全盛期のものなので、現代にそぐわないところが多々あります・・・。もっと現代に合った視覚教材ってないのかなぁ。

 

正期産までもう少し

    最後の病棟見学では、あと1か月~1か月半後にはここで出産するのかと思うと、ちょっと感慨深いものがありました。

 久々に見た、ふわふわの新生児ちゃんもかわいかったです。

 他人の子どもにはあまり興味がないと言っていた夫すら、「小さくてかわいかったー♡」と。

 少しは父親としての自覚が生まれたかな?

 今はとにかく、経膣分娩でも帝王切開でもなんでもよいので、母子ともに無事に出産できればと思っています。

購入した抱っこひも

 3月(妊娠6ヵ月頃)から少しずつ揃え始めた出産育児用品。

 GWまでにはほぼ揃え終わり、入院準備も完了しました。

 中でも、抱っこひもは色々リサーチして、購入までにも時間を要したものです。

 私は抱っこひもに関して全然知識がなく、どんなものがよいのか全くわかりませんでした。

 街中で見かけたり、友人が使っていたりした抱っこひもは圧倒的にエルゴが多く、エルゴがいいのかなぁと漠然と思っていたのですが、一方で、日本人の身体には合わないと聞いたこともありました。

 それで、一から情報収集をした結果、抱っこひも選びの上では、赤ちゃんの背中が緩やかなC字カーブになり、股関節脱臼予防のために、脚がM字開脚の状態を保てることが重要だということがわかりました。

 ガスケアプローチを推奨している産婦人科医の宋先生も、抱っこひもの選び方についてブログでお話されています。

ameblo.jp

 その視点で購入した抱っこひもは、以下の2点です。

 

1.STOKKEのマイキャリア

www.stokke.com

 こちらは、ノルウェーのメーカーのものです。

 デパートで試着してから購入しました。

 人間工学や快適性に基づいて開発されており、赤ちゃんのおしりや骨盤がしっかり支えられ、脚がM字になり、赤ちゃんの身体に負担をかけずに最適な姿勢が保てる作りでした。

 そして、赤ちゃんを高い位置で抱っこでき、抱っこする大人の背骨あたりにアルミのサポートが入っているので、大人の姿勢が反り腰にならずに良い姿勢を保てるのです。

 たまに、街中で抱っこひもの中の赤ちゃんが低い位置にぶら下がるように抱っこされているのを見て、赤ちゃんも辛そうだし、大人も肩や腰への負担が大きそうだなと思っていたのですが、マイキャリアはそれがないです。

 それに、大人の肩や腰の一部に負担がかかるのではなく、全体に赤ちゃんの体重が分散される感じ。

 初めに試着した夫はものすごく楽だと絶賛!

 私も試着したところ、赤ちゃんの重さが負担にならないし(新生児人形で試着しましたが)、長時間使っても疲れにくそうだと感じました。

 ただ、とてもがっちりした作りで、コンパクトではないので、持ち運びにはやや難点がありそうです。

 安全性の面でも問題はないと思えるのですが、その分、装着は複雑なのと、カラビナが硬いので、慣れが必要そうです。

 動く赤ちゃんを抱っこする際には時間もかかりそうですが、大人の使い勝手よりは赤ちゃんの姿勢を優先することがまず一番と思い、購入を決めました。

 ちなみに、マイキャリアのほか、通気性の良いメッシュ素材を使用したマイキャリアクールというタイプもあります。

 私はマイキャリアクールを買おうと思っていましたが、マイキャリアに比べて色の展開が少なく、色は赤がいいと主張する夫の意見をのみ、マイキャリアを購入しました。

 

2.北極しろくま堂のベビーラップ Wrap you?

 北極しろくま堂 | ベビーラップ Baby Wrap ''Wrap you?''

 

 もうひとつの抱っこひもはベビーラップです。

 ベビーラップは、一枚の長い布を大人の身体に巻き付けて、抱っこやおんぶをするというもの。

 こちらも、赤ちゃんの背中がC字カーブ、脚がM字になる姿勢を保てます。

 また、高い位置での抱っこが可能で(しかも、赤ちゃんとしっかり密着できる)、赤ちゃんの体重を大人の上半身全体に分散させるので、大人の身体への負担も少なくできます。

 難点は、巻き方をマスターするのに練習が必要なところですかね・・・。

 でも、それも、YouTubeに動画がアップされていたり、講習会があったりするので、カバーできるかなと思います。

 私が購入した「北極しろくま堂」のベビーラップには、巻き方のパンフレットが同封されていました。

 あとは、布が長いので、巻きつける時に両端が地面についてしまいます。家の中ならいいのですが、外で装着する時は気になります。

 他にも、ベビーラップは「DIDYMOS」等、色々なメーカーから出ています。

 

 

 以上、長くなりましたが、購入した抱っこひものご紹介でした。

 我が家では新生児期は主にベビーラップを使い、首すわり以降の外出時やお互いの実家への帰省時など長距離移動の際にはストッケを使おうかと夫と話しています。

 それにしても、抱っこひも選びでいちばん張り切っていたのは夫でした。

 赤ちゃんの姿勢うんぬんで悩む私に対し、夫は「お父さんがベビーラップでさっと赤ちゃんを抱っこしていたらかっこいいよねー」とか「ストッケもあんまり見かけないからかっこいいよね?」という、見かけから入るタイプ(笑)。

 たまたま、私の視点で選んだものと夫の視点で選んだものが一致して良かったと思っています。

2人目の不妊治療に関する悩み

 明日から31週に入ります。

 昨日は健診で、初めて夫も同行しました。

 初めてエコーを見たもののそれほど感動はなかったようですが、心臓がちゃんと動いていてよかった、と言っていました。

 あと、エコー中、医師と私が専門用語を使ってやりとりしていたので、何を話しているのかわかりづらかったとクレームが!

 夫が同行する機会なんてなかなかないので、もっと気遣えばよかったと反省しています。

 

 さて、まだ1人目の妊娠中なのに何を言っているんだという感じではありますが、タイトル通りの悩みがあります。

 これは最近、夫と将来的に2人目の治療はどうするかという話をしていた時に、ふと出てきた悩みでした。

 年齢や子宮内膜症のことを考えると、2人目の治療をするならば1人目出産から年数をあけずに治療を再開する方がいいねという結論に達したものの、通院の際、1人目の子どもはどうすればよいのかという話に。

 通院していた病院には凍結胚がいくつかあるため、移植からスタートできそうですが、それでも、移植前、移植日、移植後と通院回数は頻繁で、来院日を指示されればその日に行かなくてはならないのが不妊治療です。

 双方とも両親が遠方に住んでおり、ましてや今の私の働き方では保育園にも入れず(住んでいるところは保育園の激戦区です)、近くに子どもを見てくれそうな人がいない。

 かといって、不妊治療病院に子どもを連れて行くのは、他の患者さんのことを考えれば抵抗があります。

 ちなみに、通院していた病院にはキッズルームもありません。

 万が一、やむをえず連れて行ったとしても、病院まで片道1時間弱の道のりとあの長い待ち時間を小さい子どもが耐えられるわけない・・・。

 託児所の一時預かりの利用や、シッターさんの手配も考えましたが、なんとなく不安もあり・・・。

 夫と一緒に途方に暮れました。

 双方の母親に協力をお願いして、一定期間来てもらうしかないということになったのですが、事前に何回移植すれば妊娠しますということがわかればまだいいのに、その確証がないまま、妊娠するまで母親たちに協力を仰ぐのが本当に申し訳ないです。

 2人目の治療をしている方たちはどのように対処しているのでしょうか。

 次は自然妊娠できればいいのにねーと夫は言っていましたが、今までの治療の経過を考えると、タイミング良くそんなラッキーなことが起こるとは思えません。

 不妊治療は自分の心身への負担はもちろん、家族への負担も大きいことをしみじみ実感しています。

私の神アイテム

 待ちに待ったゴールデンウィーク

 10連休の方もいらっしゃるようですが(うらやましい・・・)、我が家は平日はそれぞれ仕事があり、ほぼカレンダー通りのお休みです。

 今回のゴールデンウィークは出産前の貴重な連休です。

 後半は家の中の大掃除など、出産に向けて色々と準備を整える予定です。

 

 抱き枕:ハッピーピロー4G

    今日は、今の生活に大活躍の神アイテムについて記事を書きたいと思います。

 その神アイテムは、抱き枕と骨盤支持ベルト!

 私が使っている抱き枕は、以前の職場の先輩に紹介してもらった「ハッピーピロー4G」です。

 数年前に紹介してもらった時に現物を試したところとても良く、妊娠したらこれを買おうと決めていました(妊娠していなくても使えますが)。

 中に入っているのが綿ではなくてビーズのため、形を自在に変えられ、身体にぴったりフィットするので使いやすいです。

 私は、仰向け寝がやや苦しくなってきた妊娠5ヶ月後半頃から使っていて、もうこれがないと今は眠れません。

 産後は授乳枕(クッション)としても使えます。

 よく見かけるU字型の授乳枕は、いいものに巡り合えればラッキーですが、柔らかすぎたり高さが合わなかったりして使いにくいものも結構あります。

 ハッピーピローはU字型の授乳枕に比べて多少大きさと重さはあるものの、自分と赤ちゃんが楽な授乳姿勢を取れるのがいいと思います。

 

 骨盤支持ベルト

 骨盤支持ベルトは、仕事柄、妊娠前から色々なものを見たり試したりしてきましたが、中には医学的根拠がない効能を謳っている怪しげなものや(早産が予防できる等)、着け心地がしっくりこないものもあり、どれがいいのかと悩んでいました。

 そんな中、購入を決めた抱き枕と同じサイトで骨盤支持ベルトを販売しているのを見つけました。

 調べてみると、使いやすそうだし、立った姿勢でも骨盤底筋群を保護できるようにサポートしてくれるというので、基本的に立ち仕事の私は思い切って購入。

 そして、これが私にはとてもピッタリでした。

 伸縮性がある素材なのでつけやすく、以前試した他のベルトのように硬さが気になったり身体への当たりが気になったりということもなくて。

 特に、お腹が大きくなってきた妊娠6ヶ月頃からは、ベルトを着ければ立位でいることもあまり辛く感じず、着けていない時に比べて格段に動きやすいです。

 

 

 ハッピーピローも私が購入した骨盤支持ベルトも、日本ガスケアプローチ協会がお勧めしている製品です。

 お値段はややお高めですが、私は購入して良かったです。

www.gasquet-japon.com

 骨盤支持ベルト - 日本ガスケアプローチ協会

 ピロー本体 ;ハッピーピロー4G - 日本ガスケアプローチ協会

 ガスケアプローチに関しては、数年前に少しお話を聞いたことがあるくらいなのですが、ガスケアプローチを取り入れた出産は、現代の日本で一般的な腹圧をかけて出産させる方法ではなく、姿勢と呼吸で骨盤底筋群にダメージを与えずに出産させる方法だそうです。

 ガンガンいきませてお産をすると、産後に尿漏れや子宮脱などの弊害が高頻度で起きます。

 そうではなくて、女性のもつ身体能力を最大限に生かし、ダメージを少なくするという出産へのアプローチ方法に私はかなり魅かれ、研修を受けたいと思いながらも機会を得られずにここまできてしまいました。

 産後、落ち着いたらぜひ研修に参加しようと考えています。

出産前教室に参加してきました

 先週末から妊娠後期に入りました。

 夜の眠りが浅いとかトイレが近いとか細々したトラブルはあるものの、体調は概ね良好で過ごせています。

 ただ、お腹が重くて早歩きができず、のたのたゆっくりしか歩けません。

 もともと歩くスピードが速く、気持ちは速く動けそうな気がするのですが、身体がついていかない感じです。

 

出産前教室へ

  先週の土曜日、夫と一緒に区の出産前教室に参加してきました。

 教室は全3日の日程で組まれていて、3日目は夫の育児参加促進を目的にしている内容です。

 今までは自分が教室を行う立場だったので、受講するのって新鮮だなーとワクワクしながら会場へ。

 会場の席は、住所が近い者同士で座れるようにグループ分けされていました。

 当日のプログラムは、

 ①ビデオ上映 

 ②助産師による講義:妊娠中の保健と生活、お産の準備と経過、産後の生活 

 ③実習:お父さんによる赤ちゃんの抱っことおむつ交換、妊婦体験

という流れ。

 時間はトータルで3時間ほどです。

 結構参加者が多く、年齢層はやや高めかなといった感じでした。

 

ビデオ上映

 保健師さんの挨拶の後、早速ビデオ上映開始です。

 ところが、ビデオが始まり、太鼓の音を合図にお腹の赤ちゃんに話しかけるお父さんの姿が映った途端、嫌な予感が・・・。

 そのビデオは、看護師や助産師の勉強をしていた学生時代に観たことがあり、20年以上前に制作されたNHKエデュケーショナルの「お父さんへ 赤ちゃんへからのメッセージ」でした。

 ものすごく大雑把に内容をまとめると、「お腹にいる時から赤ちゃんにお父さんが話しけると、産まれた時から赤ちゃんはお父さんの声がわかります」「赤ちゃんはお母さんに安心感を、お父さんには刺激を求めています=だからお父さんも積極的に育児関わりましょう!」みたいな感じです。

 確かに、妊娠中からお腹に向かって話しかけるのは良いことだと思うのですが、今となっては時代にそぐわない部分もあり、研究データも古いのではと腑に落ちない点も・・・。

 後日、このビデオの件を他の地域に住む助産師の友人に話したところ、なんと彼女も出産前教室で同じビデオを観たとのこと。衝撃を受けて調べてみたら、今もこのビデオは全国的に自治体の出産前教室で使われているようです・・・。驚きました!

 

助産師による講義

   ビデオ上映の後は、妊娠中から産後の生活までの講義。

 エネルギッシュな助産師さんが、ものすごいスピードで話していらっしゃいました。

 小一時間の講義にしてはてんこ盛りの内容でしたし、イメージしにくいところもあるかなと思ったのですが、夫は眠くならずに聞けて、理解できたと話していました。 

 ずっと話を聞くだけではなくて、胎児人形の重さを感じてみたり、妊娠中のエクササイズをしてみたり、分娩時の呼吸法や夫のマッサージの練習もあったので、良かったのかもしれません。

 

実習:抱っことおむつ交換、妊婦体験

  まず、保健師さんから赤ちゃんが泣きやまない時の対処法や産後うつに関する説明があり(ここで、やはり保健師さんは虐待予防の視点に立っているなと実感)、デモを見た後に抱っことおむつ交換、妊婦体験の実習へ。

 抱っことおむつ交換は、夫は当然のように私に方法を聞くし、私も「こうするのよー」なんて例を見せながら教えていると、見回りに来た保健師さんから「奥さんは、何か赤ちゃんに関わるお仕事でもされているんですか?」と聞かれ、黙っていたのに職業がバレる結果に。黙っていたのに、つい夢中になったのがいけなかったです・・・。

 妊婦体験では、約8㎏の重さのジャケットを装着し、動作のしにくさに戸惑う夫たちの姿を見て笑う妊婦さん達の構図が。

 夫も寝てみて起き上がる時の大変さを実感したようです。

 ちなみに、大体のところでは行われている沐浴実習はなく、必要物品の展示のみでした。たぶん、産後は私が沐浴をすると思うので、実習がなくてもよかったのですが、夫はちょっと残念がっていました。

 

参加してみて思ったこと

 終了後、夫は「勉強になった!」と言っていましたが、私自身はやはり、あまり新鮮味はなかったです。

 そして、いち受講者というより、助産師の視点で見てしまうことが多かったかもしれません。

 夫は満足していたので良かったのですが、内容にもう少し、産後の夫婦関係についての話があっても良かったのかなと感じました。 

 産後はそれまでの夫婦関係が大きく変化する時期。

 産後クライシスという言葉があるように、産後は夫婦の愛情が急速に冷え込む状況になりかねない時期です。

 産後クライシスの主な原因としては、夫が妻に家事・育児を丸投げすることや妻のホルモンバランスの変化などがあります。

 そういった事態を避けるには、夫が妻のホルモンバランスの変化について理解する、夫が基本的な家事・育児能力を身につけるといったことのほかに、双方が歩み寄ってコミュニケーションをとることが大切になります。

 そのため、例えば、夫向けの調理実習を含めたプログラムや、産後の妻の心理や夫婦間のコミュニケーションの重要性についての説明などが、出産前教室であればと思うのです。

 妊婦体験は確かに妊婦の大変さをわかってもらうには有意義ですが、妊娠期間は10ヶ月で終わります。沐浴実習も、役立つのはせいぜい生後1か月くらいまでです。それよりも長い育児期をどうやって夫婦間で協力して乗り越えていくか、そこに重点が置かれた出産前教室があってもよいと思います。

 また現場に復帰した時に、今回感じたことを生かしていきたいです。