助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

A型インフルエンザウイルスに感染

 ものすごく警戒していたインフルエンザ。

 今シーズンは妊娠中ということもあり、ワクチンを2回接種して、その他できる限りの対策はとっていたのですが、ついに感染してしまいました・・・。

 

 体調に異変を感じたのは、12日(金)の夜。

 咳が出始め、「やだなー、風邪かしら」と思っていました。

 翌日の13日(土)も咳は止まらず、悪化の傾向。発熱はなし。

 あまりにも咳込みすぎたのか、夕方には吸気時に背中から胸にかけて激痛が走り、なぜか嚥下時に胃の辺りがわしづかみにされるような痛みまで生じ、しゃべれなくなる位でした。心配し、近所の夜間救急に連れて行こうとした夫に、「どうせ妊娠中だから何もできないって言われるだけ。我慢する」と返したものの、あまりにも痛みに耐えられなくなり、妊婦健診で通院している総合病院の救急外来に電話してみました。

 ここなら、内科の医師も産婦人科の医師と連携しながら診てくれるかと思ったのですが、それが甘かった・・・。

 案の定、電話に出た看護師、内科の医師は「妊娠しているのでCT等の検査ができないですが、それでもいいなら来てもいいですけど・・・。いや、でも、辛いなら来てもいいですよ」という対応。

 その電話対応も、途中何度も待たされたり(たぶん、看護師が医師に受けてもいい患者か等を確認していた模様)、看護師から内科医師に繋がれたり等で時間がかなりかかり、そうこうしている内に痛みが幾分軽減されてきたので、「我慢します・・・」と答えて、家で様子を見ることにしました。

 その後、背中から胸にかけての痛み、胃の辺りの痛みも治まったので、なんだったのだろうと思いながら早めに就寝しました。

 

 ところが、14日(日)の朝、起きようとしたらなんだか身体が重い・・・。

 相変わらず咳も続いており、熱を測ったら37.1℃。

 心なしか悪寒もあり、「これはもしかして、インフルエンザでは!?」とガクブル。

 お昼には38℃まで上昇し、これは明日の勤務に差し支えると思い、早めに上司に連絡。

 そうしたら、上司から「今、患者さんいないからすぐに病院来て!検査しよう」と連絡が。(勤務先は土日も診療しているのです)

 でも、自宅と勤務先は目と鼻の距離にもかかわらず、かなりの倦怠感で動くのがやっと。もう、殆ど気力で勤務先へ行きました。

 で、簡易検査キットで調べたところ、あっという間にA型インフルエンザの部分にラインがくっきり。

 その場でイナビルを吸入し、解熱剤としてカロナールを処方してもらいました。

 帰宅後、熱は38.3℃へ。

 身の置きどころのない倦怠感と、熱がこもった感じがあまりにも辛く、夜にカロナールを内服したところ、37℃台に解熱。

 やっと熱の辛さから解放されました。

 

 15日(月)には平熱まで下がりましたが、何しろ倦怠感が強く、何もする気が起きず・・・。

 午後になって少し調子が戻って来たものの、食欲は一切なし。

 まいったなーと思っていたら、朝、元気に出勤した夫から連絡が。

 どうやら夫は午後から具合が悪くなってきたらしく、受診して帰宅するとのことでした。

 そして、夫もインフルエンザと診断。

 夫も予防接種を済ませていましたが、39℃まで発熱してぐったり。

 まさかの一家全滅です。

 

 今日になって、私はほぼ通常通りの生活に戻れるようになりました。

 食欲も少し戻ってきました。

 一方で、夫はピークの辛さのよう。

 ワクチンを打っていてもこれだけ辛かったのだから、打っていなかったらどんなことになっていたんだろう・・・と、夫と改めてインフルエンザの恐ろしさを実感した次第です。

 特に、私は子どもの頃以来の感染ですが、妊娠中は抵抗力が落ちる(胎児を異物と判断して排除しないようにするため)→感染しやすいというのを身を持って体験しました。

 その免疫状態で、毎日のように多くのインフルエンザ患者さんと接触していたので、余計に感染しやすい状況だったのだと思います。

  今、インフルエンザの流行は警報レベルだそうですね。

 どうか、不妊治療中、妊娠中の方々、インフルエンザにはくれぐれもお気をつけください!

 早く、インフルエンザの流行が終わりますように。

 

マタニティマークに対する葛藤

 妊娠前、こちらでマタニティマークに関する記事を書きました。

myumyu1612.hatenablog.com

 周囲からの反感を買うことを恐れて、マタニティマークをつけられない妊婦さんがいることを報道で知り、それでも、自身の身体や赤ちゃんを守るためにもマークはつけましょう、ということを書いたのでした。

 しかし、いざ自分が妊娠し、マタニティマークを貰うと、つけるかどうか悩む自分がいました。

 

 その理由はまず、母子手帳交付時に貰ったマタニティマークが、予想外にもラブリーなものであったこと。

 今まで目にしてなじみがあったのは、このタイプ。

 「マタニティマー...」の画像検索結果

 

 しかし、実際貰ったのは、こちらのタイプでした。

 「マタニティマー...」の画像検索結果

 ピンクでハート型のこのタイプは、36歳、辛口ファッションが好みの私にとってはハードルが高かったです。

 一気に、ふわふわした世界に引き込まれる感じ・・・(苦笑)。

 

 そして、もう一つ、最大の理由が、マークをつけることで他人に嫌な思いをさせたり、何か危害を加えられたら困る、ということでした。

 私の考えは妊娠前と変わらず、妊婦自身の身体と胎児を守るために、マークはつけた方がよいと考えています。

 なので、マークがどんなに自分の好みには合わないラブリーなものでも、つけるしかないと腹をくくったのですが、夫に「マークをつけることでかえって危険な目に遭うことがあると想定されるなら、マークは電車で優先席に座っている時とかにわかるようにして、その他の時は外しておいた方が無難かもよ」と言われ、うーん・・・と悩む羽目に。

 妊娠がわかってからというもの、もう自分一人だけの身体ではない、とにかくお腹の子を守らなければという気持ちが強くなり、通院のため一人で出かけなければならない時は妊娠前より慎重に行動することを心掛けるようになりました。

 いくら少数とはいえ、「お腹を殴られた」「暴言を吐かれた」ということを聞くと、自分がそういう場面に遭遇した時にきちんと身を守れるか自信がない・・・。

 でも、マークをつけることで避けられる事態もあるはず。

 この二つに葛藤しながら、最初の頃は電車やバスで座っている時にはマークをつけ、電車やバスを降りたら外したり見えなくしたりしていました。

 けれど、なんでそこまでしてコソコソしなければならないのかと、今度はバカバカしくなり、最近はつけっぱなしにして過ごしています。

 今のところ、身体的には何の被害もありません。

 

 それでも、電車で立つ時には、座っている方が「譲るように圧力をかけられている」等と思わないように、マークを見えないように配慮しています。

 ただ、電車で座っている方々は、それぞれスマホタブレット、ノートパソコンでの作業、読書、居眠りなんかで、目線を上にあげることなんて殆どありません。

 こちらが意識しているほど、向こうはあまり気にしていない、いや気づかないものなのだろうと実感しています。

 が、妊婦であることが周囲にわかることへの恐れと、自分の身体を守らなければという気持ちとで悶々とし、今までにない居心地の悪さを感じています。

 妊婦は迷惑をかける存在であると自覚して、小さくなっていなければならないのかと考えると、息が詰まりそうです。

 私の場合、職場は徒歩圏内なので、どうしても一人で公共交通機関を使用しなければならないのは通院の時くらいです。

 しかし、毎日電車通勤しなければならない妊婦さんもたくさんいらっしゃいます。

 同じく妊婦の同僚は、つわりがある中、マタニティマークを必要に応じてつけたり外したりしながら、満員電車で通勤しています。

 このように、ひどいつわり症状や突然の体調不良、お腹の張りなど、妊娠による体調の変化がある中、必要以上に周囲に配慮しながら過ごす肩身の狭い妊婦さんも多いのだろうなと思うと、心が痛いです。

 マタニティマークを、見せびらかしたくてつけているわけではありません。

 妊娠中に、乗りたくて満員電車に乗っているわけでもありません。

 妊婦だから優遇してもらって当然、という気持ちなんかまったくありません。

 せめて、周囲の方々に、そこにいてもいいと思ってもらえたら、温かい目で見守ってもらえたら、妊婦はそれだけでも精神的な負担が軽くなると思います。

 

 不妊治療中は子どもがいないという居心地の悪さ、妊娠したら上記のような居心地の悪さを感じ、子育てになると、「子どもがうるさくてすみません」とか「ベビーカーで電車に乗ってすみません」とか、子連れの罪悪感みたいなものを抱えて生きていかなくてはならないのかと思うと、ちょっとブルーになるこの頃です。

戌の日の安産祈願へ

 先週末、妊娠5か月に入って最初の戌の日、夫と安産祈願に行ってきました。

 安産祈願といえば水天宮が有名ですが、混雑すると聞いていたし、住んでいるところから程近い神社でお願いすることにしました。

 

 祈祷受付開始時間は午前9時からだったので、それに間に合うように10分前には神社に到着。

 その日はどんより曇り空で寒い日だったせいか、境内には殆ど人もいませんでした。

 受付前に並んでいたのも、私たちだけ。

 「一番乗りだねー」なんて言いつつ、受付を済ませ、待合所で待つこと約30分。

 後からいらした厄払いの方お二人と一緒に、ご祈祷していただきました。

 そして、風呂敷に包んで持参した腹帯もお祓いしていただきました。

 ちなみに、腹帯は安産だったという実母からのお下がりを二つ貰い、一つは当日朝お腹に巻いて、一つは持参しました。

 

 祝詞を聞いていると、なんだか神聖な気分に。

 どうか、妊娠経過が順調で、母子ともに無事に出産ができますようにとお祈りしてきました。

 ご祈祷のあとは、お札、腹帯に縫い付ける御鈴緒、お守り、御神矢をいただきました。

 ちょっと寒かったですが、朝の凛とした空気の中、清々しい気持ちになれた安産祈願でした。

 

 一方で、同じ日に、関西に住む夫の両親が奈良の帯解寺で安産祈願をしてきた、と連絡をくれました。

 義母が妊娠した時も帯解寺へ安産祈願に行ったそう。

 そして後日、お札、御朱印が押された腹帯、お守り(腹帯に挟むものと携帯のもの)、御供物(落雁でした)、安産の心得が書かれているパンフレットなどが送られてきました。

 わざわざ安産祈願に足を運んでくださった夫の両親には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 さて、11月初旬の判定日以降、ちゃんと妊娠が継続するのか不安に思いながら、なんとか妊娠5か月までたどり着きました。

 妊娠5か月以降はいわゆる「安定期」といわれますが、医学的には「安定期」という用語はありません。

 それまで経過が順調でも一寸先は闇で、妊娠・出産は突然何が起こるかわからないものだと個人的には感じています。

 ですので、無事に子どもが生まれてくるまでまだまだ安心できません。

 必要以上に異常を恐れるのは精神衛生上良くないと思いますが、せっかく授かった命ですので、今まで通り無理をせず、慎重に毎日を過ごしていきたいと思っています。

抗体検査と予防接種

2回目のインフルエンザワクチン接種

 今シーズンはインフルエンザの流行開始が平年よりも遅れ、今月15日に厚労省から「インフルエンザの全国的な流行入り」が発表されました。

 確かに、勤務先の患者さんの状況を見ても、昨年11、12月はインフルエンザの患者さんがあまりおらず、最近になって増えてきた印象があります。

 この間見ていたニュースでは、今シーズンのピークは3~4月にずれ込む可能性があるとか。

 万全の対策はとっているつもりですが、まだまだインフルエンザ流行の季節が続きそうなので、念のため、昨日、2回目のインフルエンザワクチン予防接種を受けました。

 インフルエンザの予防接種は、接種から抗体が作られるまでには2週間ほどかかり、効果の持続は5か月ほどです。

 1回目は11月上旬に接種したので、4月上旬までは効果があるはずですが、勤務先で感染者と関わる機会も多く、念には念を入れて2回目を受けました。

 

妊娠前に抗体検査と予防接種を

 また、今の時期、おたふく風邪りんご病も流行していると聞きます。

 これらの感染症の流行は、妊娠を考えている方や妊婦さんにとってはヒヤヒヤしますが、できれば妊娠を考えた時に各感染症(風疹、麻疹、水痘、おたふく風邪りんご病トキソプラズマ、サイトメガロ等)の抗体検査を受け、抗体がないものに関しては妊娠前に予防接種を受けておくことが望ましいと思います。

 りんご病トキソプラズマ、サイトメガロにはワクチンはありませんが、抗体があることがわかっていれば安心ですし、抗体がない場合は人ごみを避けたり、マスクをしたり、手洗い・うがいをしたりと、感染予防ができます。

 妊娠してから、気を付ける必要がある感染症について知ったり、抗体の有無を知ったりするよりも、妊娠前から感染症についての知識を持ち、自分と赤ちゃんのために予防行動を取れるといいなと思います。

 しかし、現実ではなかなか難しいのか、いわゆる妊娠しやすいといわれる身体づくり(真偽は定かではない)に向けては行動できても、予防行動に関しては関心が低いと感じることもあります。

 以前、妊活を始めるという知人に、まずは何から始めたらよいかと聞かれたので、感染症の抗体検査と婦人科検診、葉酸サプリの摂取を勧めたのですが、かえってきた言葉が「でも、感染症の抗体検査って高いんでしょ?」でした。ついでに、夫に風疹・麻疹ワクチンも受けてもらったらと勧めたところ、「打たなくてもかからないかもしれないのに、お金かけるのもったいないなー。それなら、検査のお金や予防接種代をヨガのレッスン代にまわしたい」。

 知人には、妊娠してから病気や感染症の罹患がわかって慌てても遅い場合があるし、自分と赤ちゃんの身を守るために必要なことだからと力説し、知人は後日婦人科検診と抗体検査を受け、夫にもワクチンを打ってもらったようです。

 

次世代の子どもを守るために

 日本では予防接種の取り組みが不充分で、自身を感染症から守ることはもちろん、他者に感染させないという概念が少ない気がします。

 私は、小学生の頃風疹に罹患したのですが、中学生の時に集団接種の機会があり、親に「妊娠してから風疹にかかったら大変だから」と念のための接種を勧められて接種した記憶があります。

 しかし、集団接種の対象は女子だけで、男子は接種していませんでした。

 その結果起きたのが、2年半前の風疹大流行です。

 あの時の患者の中心は20~40代の男性で(女性は20代が多かった模様)、ちょうど、風疹の予防接種が行われなかったり、接種率が下がった世代です。

 また、年代を見れば、妻やパートナーが妊娠を考えていたり、妊娠中であった可能性も高いです。

 妊婦が罹患すれば、胎児が難聴、先天性心疾患、白内障等になる可能性が高いにもかかわらず、過去の日本がなぜこんなに大切な予防接種を定期接種にしなかったのか、大いに疑問を感じます。

 そのため、あの大流行が起きてから、各自治体において風疹抗体価検査やワクチンの助成を行っており、対象は妊娠を考えている女性または妊婦、その夫(もしくはパートナー)だったりしますが、この対象も自治体によって異なります。

 でも、このような対策では防ぎきれないと思うのです。

 接種が行われていない世代、接種率が下がった世代の男女に関しては、国が責任を持ってワクチン接種を行うことが必要ではないでしょうか。

 病院はもちろん、学校、職場での集団接種を義務付ければよいのではと思います。

 

 次世代の子どもを守り、社会での感染症の流行を防ぐためにも、予防接種で防げる病気はしっかり防ぐという行動が、日本でも一般的になることを願ってやみません。

 そのためには、まず、自分と他者の身を守るという、一人ひとりの感染症予防に対する意識が大切だと考えています。

葉酸サプリの摂取について思うこと

まだまだ不安な健診

 一昨日は健診でした。

 健診は一般不妊治療を受けていた総合病院で受けており、年末の健診以来3週間ぶりです。

 本当はこの時期は4週間に1回の健診頻度ですが、どうしても仕事の都合がつかず繰り上げてもらいました。

 また、この3週間は、「本当に(胎児は)生きているのかしら・・・」と漠然とした不安を抱えたまま過ごしていました。

 健診の結果、私の心配をよそに胎児は元気で週数相当の発育でしたが、まだまだ流産のトラウマから逃れられていません。

 胎動を感じるようになれば少しは違うでしょうが、何の症状もない今、健診だけが頼りです。

 

葉酸サプリの摂取は妊娠前から

  昨年末、高度不妊治療を受けていた病院への通院が終了した際、母子手帳を貰ってきました。

 そこでふと気になったのが、葉酸摂取のことでした。

 葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、納豆、いちご、アボカドなどに含まれる、ビタミンB群の一種です。

 そして、葉酸は赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害の発生リスクを減らす役割を果たします。予防に必要な葉酸の量は1日400μg(0.4㎎)ですが、葉酸は熱に弱く水に溶けだしやすいため、食品のみでの摂取は難しい栄養素です。

 そのため、厚労省は、食品からの葉酸摂取に加えて、栄養補助食品から1日400μg(0.4㎎)の葉酸摂取を推奨しており、少なくとも妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間の摂取が必要と述べています¹⁾。

 私が違和感を感じたのは、妊娠前から意識することが必要な葉酸摂取のことが母子手帳に記載され、なおかつ、母子手帳と共に貰った様々なチラシの中に葉酸サプリのチラシがあったことでした。

 母子手帳を貰うのは、大体妊娠8週~12週くらいです。

 そこで気づいて葉酸を摂取し始めても、神経管閉鎖障害の発生リスクを減らすには遅くないですか?

 私個人の実感としては、以前よりも妊娠前からの葉酸摂取の必要性に関しては知られるようになり、妊活中の友人等はサプリを摂取していると言いますが、それでも中には妊娠するまで葉酸の必要性について知らない方もいます。冷え対策とかルイボスティーを飲むなど、妊娠しやすいと言われることは取り組みやすくても(科学的根拠は不明ですが)、自身や赤ちゃんの疾病予防に向けた行動には目が行きづらいのかもしれません。

 また、皆が皆計画的に妊娠するわけではありません。

 なので、妊娠前から女性が自分のこととして考え、行動に移せるような情報提供はどのようにしたらよいのか、難しさも感じています。

 私は職業柄、知識があったので、妊娠を考え始めてからすぐに葉酸サプリの摂取を始めました。結局、そこから妊娠までには約2年かかり、治療の途中で心が折れそうになった時には「妊娠しないかもしれないのに、飲んでいて意味があるのだろうか」とむなしくなったこともあります。

 そんな経験もふまえ、もっと手軽に、自然に葉酸が摂取できる方法はないかと考えてしまいます。

 

 

 

 最後にちょっと話がそれますが、母子手帳と一緒にもらったチラシの多さには愕然としました。水の宅配、洋服のネット通販、食品や日用雑貨の宅配サービス、子ども用品、サプリメントのチラシの数々・・・。母子手帳を交付するのは自治体なのに、当たり前のようにこんなに民間の企業を参入させていいのでしょうか。

 もっと、為になる情報提供をする方向へエネルギーを使っていただきたいです。

 

 

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引用文献

1)厚生労働省.神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について.

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf

 

 

体外受精にかかった費用(まとめ)と助成金について思うこと

体外受精費用の内訳

 確定申告の時期ですね。

 昨年は不妊治療を受けたこともあり、今年は医療費控除を受けるために確定申告の準備をしなければなりません。

 そこで、領収書を改めて見直してみると、かかった費用に愕然・・・。

 体外受精にかかった費用は他の方のブログにも掲載されており、珍しい記事でもないのですが、自分の備忘録としてもまとめて残しておこうと思います。

 

 【排卵誘発(アンタゴニスト法)】¥171,810

 【採卵(全身麻酔代含む)】¥332,520

 【凍結代】76,210

 【移植前(ホルモン補充周期)】¥50,030

 【移植(胚融解・透明帯開孔術含む)】¥184,760

 【移植後~判定日前まで】¥18,150

 【判定日~終了まで】¥132,240

 

 合計:¥965,720

 

 以上は、採卵1回、移植1回の金額です。

 私が通院した病院は、採卵、移植などそれぞれの処置代は他院に比べて大きな変わりはないと思います。

 たぶん、排卵誘発時に使用した薬剤(ゴナールF皮下注ペン、ガニレスト)やホルモン補充周期の薬剤(ルティナス膣錠)が高価だったことが響いている気が・・・。

 ルティナス膣錠は約2か月使用しましたし。あれは確か1個400円くらいで、1日3回の使用が殆どでしたので、結構な出費でした。

 ちなみに、個人のクリニック等で目にする成功報酬制度もありませんでした。

 ただ、高度生殖医療の内容を考えると、金額自体は妥当だと考えています。

 

助成金の申請

 我が家は不妊治療助成金の申請ができたので、15万円の助成金がいただけますが、自己負担額は約80万円です。

 体外受精にかかる費用については治療開始前に夫と話し合い、チャレンジする回数と限度額も決め、結果的にはその範囲内の回数・治療費だったものの、改めてかかった費用を見ると決して安価ではありません。

 最近見たニュースによると、今後は初回の助成金の限度額が30万円になるとか。

 実際に治療を経験すると、採卵・移植代のほかに、排卵誘発やホルモン補充の薬剤代の負担もかなり大きかったので、少しでも助成金が増えることは有難いことだと思います。

 あとは、現在の特定不妊治療費助成事業の対象は法律上の婚姻関係にある夫婦ですが、事実婚の場合でも助成金が申請できるようになってほしいです。

 今は、事実婚の夫婦にも体外受精や顕微授精の実施が認められています。

 それなのに、事実婚の夫婦が助成事業の対象から外れるというのはなんだか腑に落ちません。

 子どもを望む気持ちのサポートを夫婦の形態で区別するのではなく、社会全体がもっと温かい目で見守ることができたらと思いますし、多様な家族のあり方、生き方を認めることが、人々の生きやすさにつながるように思います。

 大切なのは、法律婚の夫婦であれ、事実婚の夫婦であれ、子どもの福祉を考え、養育に責任を持つこと。

 私自身、不妊治療中に自分の偏見に気づいてハッとしたことがあり、まだまだな部分がありますが、多様な家族のあり方、生き方を受け入れられるような人間になりたいと治療を通して強く思うようになりました。

通院と仕事の調整

 年末年始をはさみ、大分更新が滞っていました。

 今のところ体調も良く、おかげさまで元気に過ごしています。

 

 今日は、高度不妊治療開始後の通院状況と仕事の調整について記事を書こうと思います。

 体外受精に取り組む前に治療と仕事の両立に関する記事を書いたのですが、先月末にいただいたコメントから、ふと、排卵誘発、採卵、移植、移植後の通院状況と仕事の調整についてまとめた記事がないことに気づきました(コメントをくださったきんこさん、ありがとうございました)。

 ちなみに、体外受精に取り組む前に書いた治療と仕事の記事はこちらです。

myumyu1612.hatenablog.com

 

 現在看護師をしている私の勤務形態はパートで、大体週3~4回の午後勤務(4時間)が中心ですが、1日勤務の時もしばしばあり、ひと月の勤務日数の平均は7日くらいです。

 また、勤務に出る曜日が決まっているわけではなく、月末に出される勤務表により翌月の勤務日を知ります。

 そのような状況で、通院回数が増える体外受精と仕事を両立するのは難しいと思い(とにかく、自分がハラハラしてストレスをためるのを避けたかったです)、一旦は退職を申し出たものの、採卵する月は1か月お休みにする、その後のシフトも通院しやすいように組むから、という上司のご厚意に甘え、仕事は続けることにしました。

 上司との話し合いの結果、9月は1か月お休みをいただくことになり、そこで通院を開始する予定に。

 ところが、7月の月末に渡された8月の勤務表をみると、8月の後半は週1~2回のシフトで、次の月経の開始予定から考えても、8月中旬すぎから通院ができそうでした。

 そして、うまくいけば9月初旬に採卵になりそうな感じ。

 これならいける、と予定を繰り上げて8月から通院を開始。

 私の場合、実際は8月21日に通院を開始し、次は約1週間後、その次は採卵3日前の通院と、採卵まで計3回の通院回数でした。いずれも仕事と重なることはなく、気持ちに余裕を持って通院できました。

 採卵日は9月1日。

 採卵前からOHSSのリスク大と担当医に言われ、入院も想定していたので、実際の採卵数を聞いた時には、仕事を休ませていただいて本当に良かったと心底思いました。

 しかし、卵巣はかなり腫れていたと思うのですが、自宅でわりと元気に過ごせ、唯一あった腹部の突っ張り感も採卵3日後には消失。

 採卵以降は何かない限り受診しなくてよいと言われ、次は移植に向けた10月の月経開始以降の受診だったので、突然時間がたっぷりできてしまいました。

 これなら9月後半から仕事できたなと思いながら、移植に向け体調を整えたり、リラックスして過ごしたりしようと気持ちを切り替え、存分に自由な時間を楽しみました。

 10月の勤務は、移植に向けた通院スケジュールが読めなかったので(ホルモン補充周期か自然周期かで通院回数がかなり変わるため)、10月半ばの月経開始予定以降は勤務を入れないようにしてもらいました。

 結局はホルモン補充周期となり、移植までの通院は計2回、10月末に移植。

 移植後は約10日後の判定日(11月初旬)まで2~3日おきに通院が必要だったので、11月の勤務は連続で入れないようにしていただき(1~2日おき)、再度移植になった場合のスケジュールもあらかじめ考えて(1度移植を経験したらスケジュールが大体把握できたので)、シフトを組んでいただきました。

 結果、なんとか妊娠判定が出たため、判定日以降は1~2週間に1回くらいの通院となり、その通院日も採卵や移植の際の通院とは異なり、こちらの都合と合わせて融通することができたので、仕事とうまく両立できたように思います。

 それでもかなりハラハラし、綱渡り状態だったように感じますが、なんとか仕事ができたのは理解ある上司のおかげです。

 ちなみに、私は夫の扶養範囲内で働いているため、9月のお休みは上司が他のスタッフに「今年の前半に働きすぎたので、勤務調整でお休みする」という説明をしてくださっていました。通院を知っていたのは院長と直属の上司だけだったので、これもありがたかったです。

 

 文章ではわかりにくい部分もあると思いますので、最後に治療と仕事の状況をまとめた表を貼っておきます。

 個人差、病院による差があることなので、これがぴったりと他の方にもあてはまるものではないのですが、何かの際に少しでもご参考にしていただければ幸いです。

 

  治療 仕事
8月 8月21日 通院(方針決定) 週1~2回
    通院(卵胞チェック) 週1~2回
    通院(卵胞チェック) 週1~2回
9月 初旬 通院(採卵) お休み
10月 初旬   週3~4回
  中旬 通院(移植周期) お休み
    通院 お休み
  下旬 通院(移植) お休み
    通院(移植2日後) お休み
11月 初旬 通院(移植5日後) 週1~2回
    通院(判定日) 週1~2回
  中旬 通院(胎嚢確認) 週2~3回
  下旬 通院(心拍確認) 週2~3回
12月 初旬 通院 週3~4回
  中旬 通院 週3~4回
  下旬 通院(終了) 週2~3回
    計15回