助産師が不妊治療を経験してわかったこと

子宮内膜症のため手術→不妊治療開始→体外受精で妊娠・出産した助産師の記録

産む病院の選択

 相変わらず、体重増加のスピードにヒヤヒヤする毎日を送っています。

 来週の健診までに、前回の健診から最高でも+1㎏の増加にとどめたいのですが、もうほとんど+1㎏・・・。

 体重増加のスピードを抑えるため、まずは食生活を見直したり、ヨガやウォーキングをしたり、あれこれ試行錯誤しています。

 

私個人の産む病院の選択基準

  最近、周りから「どこで産むの?」とよく聞かれるようになりました。

 産む場所の選択には、病院等の選択から、里帰りをするか否かなど、様々な選択肢があります。

 今回、私は、現在妊婦健診を受けている病院で出産することに決めました。

 決め手は、できる限り母子の救命をしてくれる病院であるということです。

 私は、助産師としてたくさんの出産に立ち会わせていただく中で、身を持って出産の怖さを感じてきました。

 妊娠・出産の一寸先は闇で、本当にいつ何が起こるかわかりません。

 特にリスクがなかった産婦さんが分娩後に大量に出血し子宮全摘したケース、胎児心拍モニターでは元気だったのに、生まれてきたら赤ちゃんはぐったりしていて、蘇生したケース等々・・・。

 それ以外にも、母体搬送を受ける側の病院に勤務していたので、超緊急の場合などは搬送に伴うタイムロスが悔やまれたケースもありました。

 妊娠・出産は母子ともに健康であることが当たり前と思われがちですが、そうではないことは結構あります。

 また、数年前、私は大切な友人を出産によって亡くしました。

 詳しいことは書きませんが、マンパワーがあり、即医療行為ができていたら救える命だったのではと思います。

 そういったことから、母子の命をできる限り救ってくれる医療設備のある病院に的を絞り、自宅からの距離などを加味して選択しました。

 ちなみに、「助産師なのに、助産院で産もうと思わなかったの?」と聞かれたこともありますが、私の場合は35歳以上で体外受精による妊娠、子宮内膜症の手術既往、潜在性甲状腺機能低下症の合併があるので、助産院での出産の適応ではありません。そして、そもそも万全の医療体制が整った環境で産みたいという希望があったので、もし適応があっても選択しなかったと思います。

 

里帰り出産をするか否か

  それから、他によく聞かれる質問としては、里帰りの有無についてです。

 私も夫も実家が遠方のため、周囲にすぐ頼れる人がいません。そのため、当初は里帰りして、自分が以前勤務していた病院で産んで(子宮内膜症の手術もしてもらった病院なので、安心感はありました)、実家で産後の1か月を過ごそうかなと考えていたのですが、夫や双方の母親と話し合い、里帰りはやめました。

 里帰りには、何よりも自分が楽で安心して過ごせるというメリットがあります。

 それはかなり魅力的だったのですが(笑)、夫と何度も話し合い、これから二人で協力しながら育児をしていく上では里帰りをしない方がよい、という結論に至りました。

 待ち望んでやっと授かった子どもですし、今後はお互いに協力しながら同じように育児できるようにするためには、スタートが肝心だねということになったのです。

 こういった病院の選択や里帰り出産の選択については、それぞれその人が置かれた環境の影響を受けるので、絶対にこういう病院が良い!とか里帰りした方が良い!と一概に言えることではないと思います。

 あくまで私個人の基準で記事を書きましたが、私自身、今回の自分の選択がどんなふうな結果になるのか、ちょっと楽しみにしています。

お腹の張りがツライ

 先週末から妊娠24週(7ヶ月)に入り、今週初めには5週間ぶりに健診に行ってきました。

 今回の健診までにヒヤヒヤしたのは体重増加のこと。

 前回の健診以降、みるみるうちに体重が増え、5週間で3㎏増加という有様に。

 仕事もしているし、歩いているし、食事の内容や量にもかなり気をつけているのに何でこんなに、と自分の身体ながら全然コントロールできない状態にお手上げでした。

 途中で、助産師の友人に「どうしよう~。助産師のくせに体重コントロールもできないの~」とこぼしたところ、「そんなプライド捨てなよ」と一刀両断されましたが。

 それでも、初期につわりがないながらも体重増加が抑えられていたため、妊娠24週までのトータルの体重増加は4㎏ちょっと。

 あまりに体重増加を抑えすぎても、また体重増加のスピードが速すぎても双方に様々なリスクがあるので、バランスをとるのが難しいなと実感しています。

 

 さて、私は妊娠6ヶ月に入るまでは元気いっぱいで身軽に動けていたのですが、妊娠6ヶ月以降は様々なマイナートラブルに見舞われ、妊婦としての自覚を持たざるを得なくなりました。

 そして、自分自身の体調の変化にあれ?と思ったのは、妊娠22週のある日のこと。仕事中に突然動悸がし、立っていられない状況に。その時は、少ししゃがみこんで様子を見たら体調が回復し、その後普通に働けたので、あまり気にも留めなかったのですが、その後の勤務でもたまに突然動悸がするように。

 また、友人と会うために徒歩で出かけたところ、歩いている途中に動悸がして、ものすごくゆっくりのスピードでなければ歩けなかったこともありました。でも、座ればすぐに症状は治まり、その後は何ともないのです。

 その時は、循環血液量が増える時期だから動悸がするんだろうな、貧血もあるのかもと思っていました。

 が、健診の前日、原因がやっとわかりました。

 近所の歯科医院へ行こうと自宅を出て歩き始めた瞬間に、だんだん息苦しくなって動悸がし、ふとお腹を触ると、バレーボールが入っているのかと思うくらいカチカチに硬いのです。ところが、すぐに座って休むと、お腹が柔らかくなり、同時に息苦しさや動悸もなくなったのでした。

 もしや切迫早産ではと心配して健診で診てもらったところ、子宮口はしっかり閉じていて、頸管長は49㎜もあり、切迫早産の徴候はありませんでした。

 これには本当にホッとしました。

 医師にも言われましたが、私は体型的にもお腹が張りやすいのタイプなのだろうなと思います。

 それにしても、身体の調子が良いと思っていても、仕事中や家を出て歩き始めた瞬間等に突然張ることが多いので、対処が大変です。立ち止まって休んだり、少し前かがみになってお腹の緊張を和らげたりしていますが、道の途中だと座るところがないため少々しんどいです。

 健診当日も、自宅から最寄り駅まで10分弱の道のりすら、何度も何度も立ち止まって休まないとたどり着けず、さすがに一人での外出に不安を感じました。電車に乗って座ったら、すぐに楽になったのですが。

 出産前の身軽なうちに、できることは何でもしておかなくてはと思っていましたが、無理は禁物ですね。

 せかせか急いでしまうことが多いので、まずはゆっくりペースを心掛けたいと思います。

「性別は?」にうんざり

 東京では桜の開花宣言がなされ、気温も大分暖かく、春らしくなってきました。

 桜で思い出すのは、1年前のまさかの自然妊娠が発覚した時のこと。

 胎嚢確認ができた日は、満開になった桜を見ながら、「来年は3人でお花見ができるといいなぁ」とウキウキ。

 そこからまもなくして稽留流産の診断が下され、どん底まで落ちた日々。

 春が来るのはうれしいのに、流産のことは今も変わらずつらくて悲しい思い出で、複雑な気持ちです。

 この気持ちはたぶん、一生抱えていくのだろうなと思います。

 

性別に関する質問

   今日は、最近モヤモヤしていることについて書こうと思います。

 それは、胎児の性別について聞かれること。

 23週の今現在、胎児の性別はまだわかりません。

 私は産むまでの楽しみにしてもいいかなーと思っていたのですが、夫をはじめとする家族の希望は事前に知りたいということなので、一応、これまで2回の健診で、ついでに見てもらっています。

 最初は14週の時で、この時は「男の子・・・?いや、でもまだわかんないなぁ」という感じ。次の19週の健診では、逆子の上、胎盤に隠れてしまっていて判明せず。

 そんなわけで、性別を聞かれても「まだわかんないんですよー」としか答えられないのですが、4週間に1回の健診間隔なのに(次から2週間に1回の予定です)、職場等で殆ど毎日顔を合わせる度に性別を聞かれるのは、申し訳ないけれどなかなかうっとうしいものがあります・・・。

 私も自分が妊娠する前は、妊娠を報告してくれた友人や知人に「おめでとう!もう(性別は)どっちかわかったのー?」なんて気軽に聞いていました。

 なので、性別を問う質問は挨拶代わりみたいなもので、聞く方には深い意味はないのだろうということは理解できますし、悪意があるわけではないからスルーしようと思っています。

 ただ、「最初はやっぱり女の子がいいよね!」「女の子はいいわよー。大きくなったら話し相手になってくれたり一緒に買い物にも行けるけど、男の子はそうはいかないもんね」等と、性別質問の後にその人の価値観を押し付けてくる方が多いのには辟易しています。

 もしも、お腹の子が男児で、この「女児がいい説」が聞こえていたらと思うと、せっかく来てくれたお腹の子に本当に申し訳ない気持ちになるのです。

 漠然とした個人的な希望は女児でしたが、それは私が女系家族で育ったため何となく男児を産むイメージがつかなかったのが大きいです。

 でも今は、授かっただけで本当にありがたいですし、こだわりはなく、どちらの性別でも元気に生まれてきてね、ということしかありません。

 

エコー検査の本来の目的

    こんなにも性別を問われる機会が多いと、妊婦健診といえば、エコー検査で胎児のかわいい顔や性別がわかるというイメージが一般的に強いのだろうなと思わざるをえません。

 特に今は、胎児の顔やしぐさがより鮮明に立体的にわかる4Dエコーもあり、エコーが妊婦へのサービスと受け取られかねない部分もあります。

 しかし、エコー検査は出生前診断の一種です。

 胎児の発育状態、身体の構造、羊水や臍の緒、胎盤に異常はないか等をチェックするものです。

 胎児やその付属物の異常を告げられるかもしれないと思うと、私はいつもエコーの度にドキドキし、結果、何も異常がなく順調に発育しているとわかるとホッとします。

 つまり、エコー検査で胎児の顔とか性別を知ることは二の次、三の次なのです。

 こう思うのは、私に助産師としての勤務経験があるからで、色んな異常を見てきたからだと思います。

 だから、性別を聞かれても性別に関してあれこれ価値観を押し付けられても、もっと寛容に受け止めなければと思う一方で、どうしてもエコー検査が軽視されているような気がして、そして、性別に対する価値観にどうしても納得できない部分もあって、モヤモヤするのでしょう。

 性別を聞かれてあれこれ言われるのにうんざりするのは、私の心が狭いからなのかと思いきや、第二子を妊娠中の友人に先日話した時、彼女も同じことを思っていると話していて、大いに盛り上がりました。

 あまり今まで聞かなかったけれど、同じようにモヤモヤしている人は意外と多いのでしょうか。

 お腹の子に、男の子でも女の子でもどちらでもいいからねーと話しかける毎日です。

マイナートラブル② こむらがえり

 先月末に妊娠6ヶ月に入ってから、膨らみが増してきたお腹。

 先月まで、仕事で着る白衣は妊娠前からのものを着用していましたが(最後の方はボトムのボタンだけ外して着ていました)、かがんだ時などにきつさを感じるようになり、とうとうあきらめて今月からはマタニティ用のワンピースタイプの白衣を着るようになりました。

 私が妊娠したことを知らなかったスタッフ達は、「え?妊娠してたの?え?もう6ヶ月?」とびっくり。

 そういうのも恥ずかしかったので、マタニティ用白衣の着用開始を延び延びにしていたのですが、背に腹は代えられないので仕方ないです。

 マタニティ用白衣の生地の質感のせいもあって、かえってお腹が目立つようになり、自分でも「あれ?こんなに出ていたかしら」と思うほど。

 普段の服装ではまだコートを着るので、外見からは妊婦だとわからないのに。

 ちなみに、下着やタイツなどはマタニティ用を早々に購入しましたが(締め付けがなくてとにかく楽チン!)、洋服に関しては手持ちのワンピースやウエストゴムのボトムなどで対応しています。

 

辛いこむらがえり

 そんな感じでお腹が出てきた今、前回も記事にしたように、マイナートラブルが色々出てきました。

 ここ最近では、明け方によくこむらがえり(=足がつる)を起こすように。

 うっかり無意識に身体を伸ばした瞬間、左右どちらかのふくらはぎでこむらがえりが。

 その激痛たるや、もう・・・!

 妊娠前に経験したこむらがえりよりもピーク時の痛みの時間が長くて、治るまでに時間もかかっているような気がします。治った後も、ふくらはぎの筋肉痛みたいな痛みが続き、歩行時に苦痛を伴うことも。

 昨日は朝起きて、「今日は足がつらなかったー♪」と夫に報告しながら、履いていたメディキュットを脱ごうとした瞬間にこむらがえり!!

 メディキュットは着圧ソックスなので、ちょっと脱ぎにくいんですよね。それで、足にちょっと力を入れて脱ごうとしたのが良くなかったみたいです。

 足を伸ばして対処しながら悶絶する私を見て、夫は「妊娠って大変・・・」と眉をしかめていました。

 

こむらがえりの原因と対処

   こむらがえりの原因には、子宮の増大により重心が変化し、無理な姿勢をとることによって下肢の筋肉が疲労すること、下肢の血液循環が悪化すること、カルシウム不足があげられます。

 私は立ち仕事なので、入浴時にマッサージしたり着圧ソックスを履いたりして対処していますが、まだ不充分みたいです。

 また、カルシウムは胎児に優先的に送られるため母体の分はどうしても少なくなりがちです。そのため、私は1日に牛乳200ml、プロセスチーズひとかけ、ヨーグルト200g、小魚、納豆などを必ず摂取するようにしているものの、まだ足りないのか、この有様です。

 この先、もっとお腹が大きくなったらこむらがえりも更にひどくなりそうで、なんとか手を打って予防に努めなくては。

 今まで見たり聞いたりして知っていたマイナートラブルですが、実際に体験してみると勉強になります。

マイナートラブル① 胃もたれ・胸焼け

 今日は内分泌代謝科の受診日でした。

 TSHは0.98μU/mlで、チラーヂンSが25μgに減量になりました。

 判定日にはどうなるかとハラハラした甲状腺のデータですが、その後はなんとか落ち着いた状況が続いてひと安心です。

 

食べたいのに食べられない

   今日は、またまた食べることに関係する記事です。

 ここ数日、少し食べただけでお腹いっぱいになり、食後も胃もたれがしたり、苦しい感じが続いたりするようになってきました。

 1回の食事で量が食べられないのにその後は空腹感もなく、そのまま次の食事の時間になってしまうという状況です。

 頭では食べたい気持ちが強いのに、実際は殆ど食べられない・・・。

 「あ、今は結構いけるかも」と調子に乗って食べると、食後に胃酸が上がってくることもあり、かなり量と内容に気を遣って食事を摂るようになりました。

 食べることが何よりの楽しみなのに、初期に吐いたり食べられなくなったりするつわりはなかったのに、ここにきてちょっとした試練です。

 原因は、子宮の増大・胎児の成長に伴い胃が圧迫されていること、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響だと思うのですが、まだ21週(妊娠6ヶ月)でこれだと、これからどうなるんだろうと若干不安です。

 それに、まだ身軽な今、夫とあれこれ外食を楽しもうと思って計画していたので、ちょっぴり残念な気持ちもあります。

 とはいえ、望んで授かった命。

 胎児にきちんと栄養がいくように、食事回数、内容、量を考えて、対策を練っていきたいと思います。

 

初期のつわり症状

   ちなみに、私は初期に、吐いたり食べられなくなったりするようなつわり症状はなかったのですが、今、振り返ってみると「あれもつわりの一種だったんだろうなー」と思う症状はありました。

 ひとつめは、普通に食事を食べても、すぐにお腹が空いたこと。そんな時には少しのクラッカーとお水でお腹を膨らませていました。一度、寝る前にものすごくお腹が空き、罪悪感を減らすために夫を巻き込んで、カップ麺を食べたことも。

 今の状況では考えられない行動です。

 ふたつめは、うがいや咳で嘔気が誘発されたこと。

 上を向いたうがいで「オエッ」となるので、仕方なく水を含んですすぐのみというのをしばらく続けていましたが、その内普通にうがいができるようになりました。

 また、ちょっとした拍子に咳込むと気持ち悪くなるという状況もあったものの、これもふと気づくとなくなっていました。

 つわりで24時間船酔い状態、嘔吐が続き、入院した友達に言わせれば、私が体験した症状なんてつわりにもならないということですが、妊娠による症状は本当に個人差が大きいということを実感します。

 

 今日はとりとめのない内容ですが、マイナートラブルの備忘録ということで記事に残しておきたいと思います。

妊娠中に気をつけたい食べもの

 先週末から妊娠20週に入り、ここ数日の間にお腹が結構出てきました。

 体重増加は非妊時から+2㎏ちょっと。

 毎日体重計でチェックしていますが、ちょっと食べすぎたかなと思う日は非妊時の頃には考えられなかったくらい、数字にてきめんに現れます。

 もともとが痩せ型(BMI18.5未満)なので、妊娠全期間では非妊時から9~12㎏の体重増加が望ましいのですが、これからは体重増加しやすい時期でもあり、短期間で極端に増えすぎないように気を付けなければと思っているところです。

 そんな中、なぜか最近、非妊時には全く好きではなかった甘いパンにはまってしまい、パン屋さんにふらふらと入っては、メロンパンだのドーナツだのチョココロネだのを買ってしまいます・・・。なんとかして、この悪しき習慣を断ち切らなければ!

 

気をつけたい食べもの

   今日は妊娠中の食事について書こうと思います。

 妊娠中には、感染症を防ぐために避けるべき食べ物が色々あります。

 それは、生肉、加熱が不充分な肉、殺菌されていない牛乳、殺菌されていない牛乳で作られたチーズ等です。

 これらは、リステリア菌トキソプラズマという原虫の感染予防のために避けるべき食べ物です。(厚生労働省:これからママになるあなたへ 食べ物について知っておいてほしいこと http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf

 リステリア菌は妊娠中だと非妊時に比べて20倍感染しやすく、流早産、死産、赤ちゃんの髄膜炎などを引き起こします。

 また、トキソプラズマは家畜の肉や感染したばかりの猫の糞、土の中にいる原虫で、妊娠中に感染すると流産・死産、胎児の脳や目の障害を引き起こす可能性があります。

 なので、土がついた野菜も、しっかり洗うことが必要です。

 ちなみに、リステリア菌トキソプラズマに対する予防接種はありません。

 トキソプラズマの検査に関しては任意なので、妊娠初期に抗体の有無を調べる病院もある一方で、調べない病院もあります。その場合は、希望すれば検査を受けられますし、妊娠前から調べておくとなお良いと思います。

 そのほか、感染症を防ぐ目的ではないのですが、高濃度の水銀が含まれている魚介類の一部には、胎児に影響する可能性があるために種類と摂取量に気を付けなければならないものもあります。(厚生労働省:これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf#search='%E7%94%9F%E9%AD%9A+%E5%A6%8A%E5%A9%A6'

 あとはカフェインの摂取量も気を付ける必要があります。

 

 食べたいものが食べられない

 さて、私はナチュラルチーズ(主に輸入品)、スモークサーモン、生ハム、パテなんかが大好きで、妊娠前はよく食べていましたが、何かあっては大変なので、移植後からは一切やめました。代わりにプロセスチーズを食べています(ちなみに、日本の大手メーカーが作っているナチュラルチーズは殺菌乳から作られているという情報もあり、今度聞いてみようかと思っています)。

 好きなまぐろのお刺身も量に気を付け、なるべく食べないようにしています。

 そして、ほうじ茶、緑茶、紅茶も大好きで妊娠前はたくさん飲んでいたのですが、今はほうじ茶を1日2杯までにとどめて、ノンカフェインのお茶を飲むようにしています。

 と、家で食べたり飲んだりする分には、自分で選んで買っているものなので出所もわかるし、しっかりと加熱調理したりと調整可能です。

 しかし、外食時に色々と問題が発生することが判明。

 外食だと、レア状態のお肉、チーズ等の登場率が多いこと!

 サラダなんかも十分吟味しないと、生ハムやナチュラルチーズ、スモークサーモン等が入っていることが多く、選ぶのが大変です。

 まさか、「このチーズは輸入品ですか?ナチュラルチーズ?プロセスチーズ?」なんて聞けないですし・・・。

 それに、妊婦に生肉やナチュラルチーズ等が禁忌であることはあまり知られていないため、料理人のこだわりでレア状態で提供されるお肉を、妊婦が「よく焼いてください」と言うと怪訝な顔をされたという話や、妊婦が結婚式に出席したところローストビーフを出されて困ったという話も聞いたことがあります。

 あとは、夫の実家でレア状態のステーキが出てきて、説明してもあまり理解されず、かといって食べないと角が立つし・・・で悶々としたというエピソードも聞きました。

 私は、安産祈願の帰りに夫と食事をした時、コースの内容にステーキが含まれていたのですが、背に腹は代えられぬと思い切って、しっかり加熱してもらうように事前にお願いしました。結果、快く対応していただいたので、そういうお店に行くようにしたいと思います(笑)。

 それから、軽食にと買おうとしたサンドイッチにも、チーズが入っていることが多く、チーズの種類がわからずに泣く泣く諦めたこともあります。

 「食べたい!」と思ったものが食べられないストレスは大きいですね。

 特に私は食べることが大好きで何よりの楽しみなので、余計にそう思うのかもしれません。

 リスクが大きいマタ旅はせずに、その分ゆっくりと外食を楽しむつもりだった私たち。

 外食の選択肢も狭まり、イタリアンやフレンチよりも和食が無難かなぁと思っています。

働く女性の4人に1人が流産経験?

 おかげさまでインフルエンザからはすっかり回復し、普段通りの生活を送れています。

 先日は、インフルエンザ罹患のために1週間延期になった健診にも出かけることができました。

 胎児の発育は順調で、私の妊娠経過も問題なしでした。

 妊娠20週を目前にした今、気になるのは子宮頸管無力症の有無だったのですが、頸管長は充分保たれており、少しホッとしました。

 

調査結果に疑問

 さて、昨日、気になるニュースを見かけました。

 それは、こちらです↓

headlines.yahoo.co.jp

 

 この記事の「働く女性の4人に1人が流産経験あり」という結論ですが、この調査方法の詳細(対象、調査内容、データ収集方法、分析方法など)がわからず、この結論を鵜呑みにすることはできないなぁと思ってしまいました。

 もともと、流産率は約15%で、年齢が上がれば流産率は高くなりますし、体外受精などの高度生殖医療による妊娠も流産率を高めます。

 また、初期流産の殆どの原因は胎児側の染色体異常であり、就労の有無は影響しないといわれています。

 一方で、妊娠12週以降の流産には母体側の因子、つまり生活環境とか職場環境などが影響していることが多いといわれています。

 つまり、この調査が年齢や治療歴、流産時期などの背景も含めて分析され、結果が導かれているのならともかく、そうでないのなら調査として信頼するのは難しいかなと思います。

 私がこの記事を読んで危惧したのは、働いて流産した女性が「あの時休んでいればよかった」「働くんじゃなかった」というふうに、自分の就労に後悔の念を抱いたり、働く妊婦が必要以上に流産を恐れたりすることでした。

 私自身、流産した時には、いくら流産率や原因について理解していても、「立ちっぱなしの仕事をしていたからじゃないか」と自分の仕事内容と流産を結び付けて、自分を責めていました。

 でも、それは、ただでさえ流産のダメージが大きいのに、自分をもっと追い詰めることになります。

 流産は働かなかったら防げる事態なのかというと、また別問題だと思うのです。

 

働く女性のための出産・育児に関する制度の周知を

  ただ、働く女性のための出産・育児に関する制度については、調査によると知らない人も多いことがわかりました。

 これは周知が必要な事態だと思います。

 妊婦は、時間外、休日労働、深夜業の免除を請求できますし、立ち仕事や重いものを扱う仕事等が辛い時には他の軽い業務への転換を請求できます。

 また、妊婦健診で医師等から、通勤緩和、休憩時間の延長、つわりやむくみなどの症状に対応した勤務時間の短縮や作業の制限、休業などの指導を受けた場合には、会社に申し出て必要な措置を講じてもらうことができます。申し出があった場合、会社は指導内容に応じた適切な措置を講じなければなりません。

 この場合、「母性健康管理指導事項連絡カード」というものを医師等に記入してもらい、会社に伝えることもできます。

www.bosei-navi.go.jp

 

 妊娠・出産は個人差が大きいものです。 

 たとえば、つわり症状がひどい人と全くない人がいるように、同じ妊婦でもその人が抱える症状にはかなり差があります。

 私もこれまでの職場で、上司が妊娠した同僚に「私もつわりひどかったけど、吐きながらでも働いていたわよ」と言ったり、つわりでぐったりしている同僚が「他の妊娠しているスタッフも頑張って働いているから、こんなので休めない」と言ったりしているのを目にしてきました。

 しかし、自分の経験はあくまでn=1なので人に押し付けてはいけないと思いますし、他の人が大丈夫だから自分も大丈夫という考えにもあまり賛成できません。

 マタハラ問題が叫ばれている今、仕事を持つ女性が妊娠しても安心して働ける環境づくりへの努力が、労働者全員に求められていると感じています。