転院とまさかの自然妊娠
高度不妊治療のために転院
さて、今年の1月に体外受精へのステップアップを決めた私たちは、高度不妊治療をしている病院を探さなければなりませんでした。
色々と検討を重ねた結果、担当医の勧めもあり、子宮内膜症のフォローもしつつ体外受精をしてくれる、実績のある病院へ転院することに決めました。
予約の電話をすると、初診はいちばん早くて3月上旬とのこと。
一度決断すると、さっさと物事を進めたい性質の私にとって2か月近くのブランクはとてつもなく長く感じられましたが、夫に「また病院通いが大変になるんだから、3月までゆっくりと自分の好きなことをしたらいいよー」と言われ、そうか・・・と気持ちを切り替えることにしました。
それまで一般不妊治療をしていた病院への通院もやめ、3月まで自由の身になりました。
転院先へ
転院先への初診の日は、意外とあっという間にやってきました。
ちょこちょこと仕事もしているので、結局ゆっくり過ごすこともなく過ぎた2か月でした。
初診当日は早速、体外受精の説明を受け、夫婦ともに治療に向けた検査を実施。
当日はちょうど高温期に入った頃だったのですが、エコーをしたところ、たくさん排卵したあとがある、今週期何か排卵誘発剤を使ったかと医師に尋ねられ、思い当たる節もなかったため、少し不安になりました。
でも、特別問題がある所見ではないとのことで、次の月経が開始したら体外受精のクールに入ることになり、月経開始予定日の頃に予約を入れてもらいました。
仕事と体外受精の両立が不安に
こうして体外受精開始のめどは何とかつきましたが、私のいちばんの懸念材料は仕事でした。
2014年5月の不妊治療開始と同時に、私は看護師の半日パートを始めました。
本当は助産師の仕事がしたかったのですが、不妊治療と夜勤ありの勤務を両立する自信がなく、また夜勤はなくともあの緊張度の高い業務がストレスになりうるのではないかという危惧などから、治療を優先できる環境で働くことを選びました。
その結果、一般不妊治療と仕事は両立できました。
ただ、体外受精をするとなるとまた話が変わってきます。
ホルモン状態や卵胞の発育状況によって受診日が左右されるし、転院先は今までよりも通院時間がかかる・・・。
仕事はシフト制かつ看護師を2~3人で回しているクリニックのため、突然休めば周囲に迷惑がかかります。
これがいちばんの悩みでした。
本当は体外受精のことを職場には伝えたくなかったのですが、2月に「まだ3月に受診しないことにはスケジュールがわからないのですが」と直属の上司に相談しました。
すると、やむを得ない場合は突然休んでもよいし、採卵時期や移植時期には仕事を入れないようにするから退職しなくてもいいのでは、と有難いお言葉が。
人手不足なのに大変申し訳なく思いましたが、3月の初診後上司に再度状況を報告し、おおよそで計算した採卵時期と移植時期はお休みをいただくことになりました。
しかし、そろそろ月経開始→体外受精のクールに入る、という3月の下旬、上司から「4月のお休み希望、ずらせない?」という相談が!
いつも月経は大体規則的→採卵周期や移植周期のお休み希望はたぶん狂わない&初めての体外受精のクールなので、予測がつかない部分がある→難しいです・・と説明したのですが、上司の休み希望と重なっているという理由で、話がまとまりませんでした。
一方で月経開始予定日なのに月経がこない、基礎体温も高温期のまま、これだと月経開始後の受診日もずれると焦る私に、夫が妊娠検査薬の使用を提案。
今まで妊娠を期待しては裏切られる連続だったので、期待はしていませんでしたが、とりあえず今後の受診や仕事の心づもりをするために検査薬を使用することになりました。
まさかの妊娠
「絶対(妊娠は)ないと思うなー」と宣言してトイレに入ったものの、検査薬は瞬時に陽性反応を示しました。
思いがけないことにビックリ。
何度も説明用紙と検査薬を見比べ、幻ではないかとそのまま夫を呼びました。
震える手で検査薬を見せると、夫が「うん、妊娠してるね」と。
その時は妊娠した喜びよりも、「体外受精をしなくても済む」とか「仕事の調整から逃れられる」という気持ちの方が勝っていたように思います。
ものすごく、ものすごくホッとしました。
そのくらい、不妊治療と仕事の調整が辛かった。
体外受精を頑張りたいのに、仕事の休み希望を出すのがとてつもなく申し訳なく感じられる気持ち。
上司は治療に理解のある態度を示す一方で、休みをずらせないかと言ってくる。
ちょっと先の予定すら立てにくく、まずは1クール体外受精に挑戦し、無理だったら仕事をやめよう、と考えていました。
そこからの解放は、何事にも代えがたかったです。
じわじわと喜びが感じられたのは、その日お風呂に入っている時でした。
やっと来てくれた赤ちゃん。
大事に大事に育てるからね、とお腹に向かって話しかけたのを覚えています。